和歌山大学後援会役員会と経済学部支部役員会に出席しました。昨年はコロナ禍のため開催を見合わせましたが、今年は感染症対策を行いながら開催しました。役員会の冒頭、会長から「和歌山県は日本で初めて革靴を製造した県であり、牛乳の販売をした県でもあります。先進性のある和歌山県の大学として存在してきた歴史があります」と挨拶の中で触れてくれました。
和歌山県の歴史と共に大学がある。そして知見を地域に提供する役割を果たしている。その重要性を再認識しました。
続いて学長からは「コロナ禍において昨年は対面式の授業ができなかったのでICT授業を行ってきた。そのノウハウを蓄積できたのでICT活用した地域への展開を考えている」ことを説明してくれました。その他にも「和歌山市から価値共創研究員を大学として受け入れています。これは一週間に一度、大学で勤務し研究してもらっています。この他の日は市役所で勤務しているのですが、研究した成果を自分の仕事で生かしてもらうことを目指しています。大学の知見を行政の仕事に反映させることによって地域と大学の連携につなげています。この制度は市役所から評価されているので、新年度は受け入れ人数を増やすことを考えています」という説明がありました。知見を実務で生かすことは地域にとって歓迎すべきことです。成果を見守りたいと思います。
また経済学部支部役員会でも活動方針と予算案の審議を行い可決した後、役員の皆さんと意見交換を行いました。
- 大学の授業でリモートを活用することで、逆にコミュニケーション力が高まったと考えています。授業であれば発言機会が少ない学生もいるのですが、リモート参加だと顔が見えるので学生に問いかけることも応えることも容易になります。成果があがっていると思うので、継続してリモートを活用していきます。今後は何をコミュニケーションするのかが大事になってきます。
- 知恵、ナレッジの経済学が必要となっています。コロナ禍において社会の動きはスピードアップしているので、対応するためには知恵が求められています。スピード対応するには知恵が必要であり、そのためには学ぶこと考えることが必要となります。大学の役割は更に重要になっています。
- 危機とは変わる機会のことでもあります。コロナ危機を変化するためと捉えて考え方や行動を変えられる人が変化に対応できる人です。中でも大きな変化とは国際化なので、和歌山県と言う地域の中に国際化の要素を取り入れたいと考えています。
- 本年度の卒業生の就職はサービス業が多くなってきています。以前は経済学部の卒業生の約33パーセントは金融や保険業に就職していましたが、令和元年と令和2年の金融と保険業の比率は約15パーセントに低下しています。社会が変わっていることを感じています。柔軟性と多様性が国際性につながるものです。
主に以上のような話し合いを交わしました。コロナ禍で社会が変わる時です。国際化の波の中に地域はあります。気づかない人もいますが、国際化に対応する教育が求められていますし、地域も国際化に対応しなければ発展性はありません。経済学部支部として大学と共に学ぶ機会を持ちたいと考えています。
また僕からは次のような意見を伝えました。
和歌山県は重厚長大産業の比率が高く、就職先として希望の多いサービス業の割合が少ない状況にあります。構造転換に後れを取っているので、産業構造の転換、つまりハイテク産業などの新産業を誘致することが必要だと考えています。地元で就職できる産業、企業を誘致して働ける環境を整えているところです。県内で働ける環境を作り出しているところです。
そのためには、和歌山県は更に国際化に向かう必要があります。国際化とは英語とスピードが求められることになります。交渉事でもリモートを活用すれば、移動しなくても意志疎通が図れますし、合意形成も図れますから、スピードアップの手段として有効です。これは外国との交渉でも効果があり、コロナ禍においても、リモートを活用することで議論は停滞することなく話は進展しています。活用しなければ後れを取りますし、活用すればスピードアップしています。この差に気づくことが大事なことです。そしてここには外国語力が必要となりますから、大学では語学教育にも力を入れるべきだと思います。
現在、和歌山県として、ハイテク企業、人工衛星やロケットなど宇宙関連作業、水素などの新エネルギー関連産業の誘致に務めています。併せて国際化に備えて南紀白浜空港の国際線化とビジネスジェットの駐機場の整備を計画しているところです。世界のスピード感がビジネスジェットを必要としているので、県として対応していきます。これが実現すると和歌山県はアジアのハブになりますし、和歌山県の国際化につながります。
そして企業立地が進展すると港湾が重要になりますから、港湾整備にもつなげていきます。
和歌山県は国際化とスピード化を目指しているので、大学と連携を図ることができたらと思います。外国語ができ国際感覚を持って地元で活躍できる人材を育成して欲しいと思います。
以上のような説明を行いました。
企業誘致のための取り組みに関して協議を行いました。和歌山県を国際化に対応した県にするために活動をしています。実現するためには事業家と会うことや地元の熱意を感じてもらうことが必要ですし、和歌山県の産業ビジョンを示すことが求められています。和歌山県はどんな県に発展させていくのかを、企業人や投資家に対して語れる必要があります。何でも良い訳ではなくて、それに合った企業を誘致しなければならないのです。現在、関係する皆さんと協議や会議を行いながら資料を整理して誘致活動を行っています。和歌山県の近い将来の姿を明確にしているので、実現に向かいたいと考えています。