活動報告・レポート
2021年3月22日(月)
和歌山市の三大学視察
和歌山市の三大学視察
和歌山市の三大学視察

和歌山市に進出してくれている東京医療保健大学和歌山看護学部を視察しました。元の和歌山市立雄湊小学校の跡地に進出してくれた大学で平成30年に開学しています。和歌山県では看護師が必要とされているため開学してくれたものですが、コロナ禍の今では、大学の存在が更に大きくなっています。

ここに進出してくれたのは和歌山県と和歌山市、そして日赤和歌山医療センターの協力があったからだと説明してくれました。平成30年度は104人、そのうち県外入学者は9人、令和元年度は100人、県外入学者は7人、そして令和2年度は104人、県外入学者は7人となっています。このような県内入学者が大半だということは県外進学者が減少していることを示しています。高校卒業時に県外に進学することを防いでいる効果を見せています。

人口流出率が高い和歌山県にとって、県内大学に進学してくれることは有難いことですし、県政が目指していた人口流出を防ぐことにつながっています。入試には地域枠を設定してくれていることもありますが、この枠で入学した生徒は卒業後は地元医療機関に就職することを求めていますから、社会人になっても和歌山県で働いてくれることになります。

教育方針として「看護の仕事は憧れだけではできない。実際は厳しいので腹をくくって来て欲しい」と説明してくれました。厳しいけれどやりがいがある。そんなカリキュラムに基づいた授業を行ってくれています。

そして授業の中には「和歌山学」を設定してくれています。和歌山県のこと、和歌山県の文化や歴史を学んでもらう機会を与えています。このことで和歌山県に愛着を持って看護の仕事をしてもらうことを目指しています。

ただ必修科目は英語であり、理科や生物などは選択科目になっています。英語は必須なのは分かりますが、看護師としての基礎的科目で受験できることに関して質問しました。

理科の基礎的な知識がないと授業についてこられないので、課題となっていることを説明してくれました。最低限の知識を持って入学して欲しいことを話してくれました。

また患者の立場で考えるなら、看護師には明るく親切でコミュニケーション力を求めたいと質問しました。それに対して看護師は「人間が好きなこと」を条件として挙げてくれました。好きイコール、優しく接することができる。静かに寄り添える。話を聞くことができる。それらを総合して「人間が好き」と言えるのであって、資質としてそれを求めたいことを話してくれました。

地域医療を担ってくれる学生が和歌山市で学んでいることを心強く感じました。

和歌山信愛大学

引き続いて、和歌山信愛大学を視察しました。小学校教員免許、幼稚園教員免許、保育士資格を取得することができる県内唯一の大学です。入学者はほぼ県内からでこれは和歌山県にとっての和歌山信愛のブランド力だと思います。教師や保育士を育成する大学ですから、課題に気づく力を養成しようとしています。課題に気づくことで動くことができます。逆に言うなら、課題に気づけないなら、動くことはできませんから課題はそのままとなります。気づくことで行動につなげることが和歌山信愛大学で教えたいことだそうです。

また「きょう育の和のセンター」やゼミで地域に出ていくことを求めていて、地域の中に存在する大学を目指しています。最近の大学生はボランティア活動に積極的に参加しているようです。そのことによって、教師は生徒に対して現状で起きていることを感じ取る力を学ばせています。

宝塚医療大学和歌山保健医療学部

三つ目の大学として宝塚医療大学和歌山保健医療学部リハビリテーション学科を視察しました。令和2年に和歌山市で開学してくれた大学です。この大学も県内からの進学者が多いことが特長です。

令和2年度は102名が入学していますが、そのうち95名が県内からの入学者です。令和3年の入学予定者は101名で、そのうち和歌山県出身者は100名となっています。県内から進学者が多いことは県外への流出が減少しているということです。これまで理学療法士や作業療法士の資格を取りたい学生は大阪の大学に進学していましたが、和歌山市に大学ができたことで県内進学につながっています。

ここでも「わかやま未来学」を必修科目にしてくれているので、学生は和歌山県の歴史と現在、そこから未来を考える機会を持っています。和歌山県の歴史を知ることで、郷土への誇りを感じてくれることを期待しています。

また教育方針として、治療だけではなくプロモーションができる療法士を育成しようとしています。専門家としての役割だけではなく、病院経営や地域との関わりにも言及できる人材を育成しようとしているのです。

そのために医療人としての資質を求めています。それは挨拶ができることやコミュニケーションが図れること。そして廊下や道に落ちているゴミを見つけたら、見逃すことなく拾うことができる人になることを求めています。医療人とは社会人でもあり、医療人は高いところにいるのではなく、人として当たり前のことができる人材を輩出しようとしています。

本日視察したみっつの大学が、和歌山県に開学してくれたことに感謝しています。