活動報告・レポート
2021年2月28日(日)
今後の経済の見通し
今後の経済の見通し

現在の世界の国の通貨発行高は、円換算すると約1京円だと言われています。天文学的数字の発行高ですから、この信用を裏付ける本位財、つまり価値はありません。

例えば、現在、地球上にある金は18万トンと言われていますが、時価に換算すると1,200兆円となります。金を本位財とするなら、通貨は約8倍もありますから、現在の金の価格では吊り合いません。均衡を保つためには、金の価値を概ね8倍にする必要がありますから、金1グラムの価格を約6,600円とするなら82,800円にまで引き上げる必要があります。金1グラムが82,800円ではハイパーインフレになり経済が持ちませんから、そこまで吊り上げることは不可能です。

金はドルの価値の裏付けとなる本位財としての役割を終えているので、先に述べたようにアメリカは原油をドルの価値を裏付ける本位財として流通させてきたのです。ところが原油価格が下落したことから、今ではドルの信用を裏付けるモノではなくなってきました。

経済とは信用でありその大元としての本意財は金でした。金を本位財として信用拡大を図ってきたのですが、ニクソンショックによって金本位制はなくなりました。金本位制が崩れたことで、原油価格を吊り上げて本位財としてきたのですが、ドルは不換紙幣であることに変わりありません。そこでドルを始めとする各国の通貨は過剰流動性を持ったことから、無限に経済成長は続くとの幻想を抱くようになりました。

そもそもアメリカは産油国でしたが、原油を本位財にするため中東の産油国の原油を掘らせることで埋蔵量を減少させていくことで原油価格を吊り上げていったのです。これで原油をドルの信用の裏付けとしての役割を持たそうとしていったのです。

ところが原油価格が新型コロナウイルスの影響もあり下落したことから、本位財の役割を果たすモノがなくなっているのが現在です。

では日本のように土地本位制を採用すればと思いますが、アメリカも土地本位制を真似た時期がありましたが、銀行が債権化して証券会社に引き取らせことからリーマンショックが起きたので、日本のように土地本位制を世界標準にすることは困難であるとの見方もあります。特に土地が広大なアメリカでは難しいように感じます。

参考までに、明治時代に地租改正をしたのが陸奥宗光伯です。明治2年2月、伯が租税制度改革の建白書を中央に提出し、土地等級制の確立と税制の統一、そして地租金納を主張しています。そして明治6年に租税制度改革が実行されました。この改革によって日本に初めて土地の私的所有権が確立したのです。

地租改正によって、それまで当該の土地から収穫出来たお米で納税させていたものから、土地の面積に応じて税金を支払うように仕組みを変えたのです。国の固定資産の基を築いたのが陸奥宗光伯であり、今に至る近代国家の財源の基礎を築いたのが陸奥宗光伯だと言えます。

ところで、現時点においてこの先の経済はどうなっていくのか見通すことは困難です。現在、金、そして原油に変わる本位財がなくなっている状態だからです。ただ不換紙幣を流通させたことで、無限に続く経済成長の幻想が崩れていることに気づくことで、現在の仕組みを変えることに仕向ける必要があるということです。残念なことに、覇権国のアメリカに変わって日本を始め一国がその役割を果たすことは出来ません。

次の本位財を何に持っていくのか。またどの国が覇権を握るのかによって、世界経済の流れが見えていくのでしょうが、繰り返しますが現時点では見通せないところです。ただ言えることは、秩序とバランスを保ちながら世界経済は進んでいくということです。

経済の側面から見ても、つくづく新型コロナウイルス感染症の影響は大きいものがあると感じています。