活動報告・レポート
2021年2月24日(水)
輸出入
輸出入

世界中がコロナ禍のため、昨年春から輸出入が止まっています。部材の供給が止まっていることから製造工程に影響が起こるなど、わが国の経済活動にも波及しています。ただ中国からの輸入が再開されていることから部品や材料などが入っていますが、問題は日本から中国に製品などを輸出できないため、コンテナを中国に送り返せない状況になっているようです。荷を下ろした後のコンテナは、荷物を入れて送り返さないとコスト高になるので、空では送り返さないようです。そのため港にコンテナが置かれた状況のため、表現は正しくないかもしれませんが、次々と部品や材料が入ってこないこと、入ってきたとしてもコスト高になっているのです。

これが世界中で発生しているので、輸送コストが割高になっているということです。そのため材料を輸入に頼っている製品の価格が上昇しているのです。そのためインフレ傾向に向かうはずですが、利益を抑えるようにしてインフレを抑えているようにも思えます。株価や暗号資産の価格は上昇していますが、実体経済が悪い中でインフレに向かうとなると、僕の中ではスタグフレーションの幻想が浮かびます。最も怖いスタグフレーションは避けなければなりません。

それは1980年代のアメリカ。ロナルド・レーガン大統領の時代の記憶があるからです。当時は双子の赤字でアメリカは世界最大の債権国となり経済は低迷していました。

供給サイドの経済学という、それまでの需要サイドの経済学と異なる理論に基づいた奇妙に思えた政策に思えた「レーガノミクス」が登場しました。これは供給力を強化することで経済成長を達成できると考えた理論です。つまり供給を増やせば、それに伴って需要が増加するという理屈です。でも奇妙に感じたのは、供給を増やしても市場がそれを求めなければ需要は増えないと思ったからです。

経済学的には、この供給サイドの経済理論が成り立つには「生産したものが全て需要されるという非現実的なセイの法則が成り立つ」必要があります。よほどのヒット商品か誰もが欲する商品でもない限り、基本的には成り立たないのです。

当時のアメリカは、景気が後退しているのにも関わらずインフレーションが同時進行したスタグフレーションでした。一般的に、景気の停滞は需要が落ち込むことからデフレーションに向かいますが、エネルギーコストの高騰や、原材料、素材関連の価格上昇などによって不景気の中において物価が上昇する現象が発生します。景気後退で賃金が上がらないのに物価が上昇するため、資産価値が減っていくという生活者にとって極めて厳しい経済状況がスタグフレーションなのです。

1980年代のアメリカは「レーガノミクス」による減税と規制緩和を柱とした経済政策と金融引き締め政策によってインフレを抑え込み、スタグフレーションを脱したのです。

現在、日銀の金融緩和によって資金が市場に供給され続けているので、貨幣価値は下がっています。ここに物価が上昇すれば深刻な不景気に陥る環境にあります。今日、メーカーや販売元が物価上昇を抑えてくれている話を聞いて感謝したくなりました。

現場の声

飲食店経営者と話し合いました。感染症対策を取り、安全性をお客さんに呼び掛けて懸命にお店の維持を図っています。和歌山県内の多くの飲食店は同じような状況にあると思います。ところが「個人の声や思いは届かない」という話を聞かせてもらいました。その理由をここで記すことはしませんが、言葉を借りれば「そのことがとても悔しい」「政治は現場とかけ離れている」という思いを持っています。これが政治不信の源泉であり、若い人達の政治離れと投票に行かないことに直結しているのです。

ただ経営者たちの「私達の思いを聞くこともしてくれない」という今回の結果は、「この次の選挙に反映させる」という今までと違う意思を感じさせています。国の政策と地方の現場に温度差があれば、温度差を感じている主権者の声を、せめて真剣に聞くことが政治家の責任だと思います。

政治不信や政治家への幻滅を感じさせるような行為はいただけません。せめて声を届けられるようにしたいと考えています。