2050年のカーボン・ニュートラル社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入のあり方と和歌山県の取り組むべきことに関する会議を行いました。関係者に集まっていただき、環境問題と再生可能エネルギーの導入に向けた議論を交わしました。
世界も、わが国も、カーボン・ニュートラル社会に向けた動きが加速されています。エネルギー事業者だけではなく、全ての事業者が意識を向けているので、企業誘致においてもその環境を整えることが求められるようになっています。しかしこれは難しい取り組みで、大量の電気や水が必要とされている中、カーボンゼロのエネルギー供給と、水をくみ上げるためのエネルギーもカーボンゼロにする必要があるのです。既存の再生可能エネルギーによる発電量は大きくないので、大容量の発電量が可能な方式の導入が考えるべき課題です。
和歌山県では現在「第5次和歌山県環境基本計画」を策定中ですから、ここに将来の和歌山県のあるべき姿を描き、記載する必要があります。この基本計画に掲載された取り組みは目指すべき目標となりますから、政策はそこに向けて集中していきます。ですから現在の再生可能エネルギーの導入計画と共に、将来の主力となり得る再生可能エネルギーについても取り組むべきものとして記載する必要があります。現在だけを見て、これから登場してくる有望なものを記載しないようでは、県が策定する基本計画としては不十分です。
皆さんの意見と民間企業の環境部門での取り組み、再生可能エネルギー開発や導入の推進計画などを参考にして、反映させるべきだと考えています。
会議出席者からは「和歌山県は環境問題取り組みの先進県を目指すべきだと思うので、他の県よりも先進的な再生可能エネルギー導入に向けた方針を示して欲しい」や「和歌山県の太陽や風、海流などの資源を活用して再生可能エネルギーの導入に努めて欲しい」そして「国が2050年までに導入目標を打ち立てて推進している洋上風力についての導入目標を入れるべきでは」などの意見が出ました。
この意見は「第5次和歌山県環境基本計画」の中の「再生可能エネルギー導入促進」の項目で示されている今後の「取り組みの方向」の項目に迫力が欠けることから出された意見です。
その項目について、以下に記します。
- 地域の環境と調和した再生可能エネルギーの導入を推進します。
- 比較的導入が進んでいないバイオマスや小水力などの利用促進を図ります。再生可能エネルギーの利用促進に当たっては、電気エネルギーだけでなく、廃熱などの熱利用も促進します。
- 海流発電など、実用段階にない再生可能エネルギーの実用化に向けた取組を進めます。
- 県内企業のエネルギー分野の研究開発を支援します。
- 水素エネルギーや電気自動車、蓄電技術など、再生可能エネルギーの利用を後押しする技術の普及を推進します。
以上の表記ですが、積極的な姿勢が感じられないようにも思います。この前段に「洋上風力発電については、2018年度から2020年度にかけて、環境保全や社会的状況等の観点から保全すべき海域などを整理し、マップ化するゾーニング事業を行いました」と現状報告があるにも関わらず、「取り組みの方向」の中に洋上風力発電がないことや、2050年の政府方針に反応するような取り組み姿勢に乏しいように感じています。それは和歌山県こそ環境問題への取り組みを担うべき県だと思うからです。
環境問題は、歴史的な価値があって保全すべき環境と、将来の地球環境を護るために創り出していく環境の取り組みがあります。再生可能エネルギーは創り出していくべき取り組みですから、自然破壊につながらない取り組みは推進すべきものだと考えています。これから具体的な取り組みとそこから出てくる課題に対応していくことを目指しています。
- 飲食関係者と意見交換を行い、現状と期待している支援策について話し合いました。飲食店経営者の思いを知事に要望する予定です。
- 給食事業者の方々と意見交換を行って現状について聞かせてもらいました。福祉施設や病院の給食を受けているので、入居者に対する感染症対策には十分注意をして仕事をしていること。絶対に感染症を発生させないための従業員教育と、取り組みを徹底していることなどを聞かせてもらいました。各界の皆さんの感染症対策の取り組みに敬意を表します。皆さんが和歌山県を護ってくれていると思って感謝しています。