活動報告・レポート
2021年2月7日(日)
和歌山県立高校再編
和歌山県立高校再編

和歌山県内の公立高校の再編に関しては立場によって様々な意見が出ています。現在29校ある普通科の公立高校を20校に再編する計画があります。令和3年2月9日から20日にかけて説明・懇談会を開催する予定を組んでいます。県教育委員会の説明内容は「再編整備の考え方の骨子」「各エリアにどのような学校や教育を整えるか」となっています。

この背景として、和歌山県でも生徒が大きく減少していることから、公立高校のクラスが減少している現状があります。6クラスに満たない高校は理想とする学校運営ができにくい環境に陥っているようです。当初の予想よりは早く6クラスに満たない公立高校が増えてきていることから高校再編をするか、このままの状態を継続するかの議論に迫られているのです。

個人的見解ですが、高校で3クラスや4クラスというのは寂しい感じがします。中学校までと異なり、各地域、各中学校から、それまで知らない多くの生徒が集まってくることから楽しさが生まれるように思います。勉強でも運動でも、多くの生徒が集まっているので、新鮮な気持ちで一からスタートできると思います。

ところが3クラスだと120人、4クラスで160人ですから、切磋琢磨の面からは寂しさを感じます。人が集まれば集まるほど切磋琢磨の機会が増えるので、仲間たちと高め合う関係が生まれます。高校時代にだけ体験できることがありますから、多くの同級生と出会えることが望ましいと思うのです。ここが今回の公立高校再編の難しさを感じるところです。

人数が減少するから再編というものではなくて、生徒の在校期間の成長と将来を考えて再編を検討していると思っています。小さな高校で高校生活を過ごすことも良いことだと思いますから「再編ありき」の考えはありませんが、自分達の高校時代の人数を考えると「多くの同級生がいて良かった」と思うことがあります。

また同じ普通科の公立高校であっても「特長を持たせることが必要な時代になっている」という意見を聞かせてもらいました。

例えば「体育科を有している」「英語教育に重点を置いた国際科」「理数科に特化したクラスがある」「文系に秀でている」などの特長を高校が持つことで、生徒が行きたい高校を選択する機会を持たせることが必要であると言うことです。漠然と「自分の学力から考えると〇〇高校に進学」と考えるのではなく「理数が得意だから〇〇高校を目指す」「文系志向なので△△高校に行きたい」「英語を学んで将来は留学したいので☆☆高校を志望する」など選べる再編にして欲しいと思います。

つまり主要5教科の学力で高校を決めるのではなくて、自分に合った高校を選ぶように変えていくことが国際社会における、そして少子化時代の高校のあり方かもしれません。学校関係者、高校受験を控えた生徒と保護者、そして政治に携わる人にとって、和歌山県の普通科の公立高校の再編問題について考える新春になると思います。

それぞれが高校教育や、生徒の将来についての考え方などを持って、この問題に関わりたいと思います。特に高校教師の意見を大切にしたいと考えています。高校生に直接、勉強を教える、高校生活の道しるべとなる、そして生涯の師となる可能性のある人が先生だからです。高校生の人生に影響を与える先生の意見を尊重して、公立高校再編の協議を行うべきだと考えています。

そこに海草・向陽同窓会会長として、県議会議員として参加させていただく機会をいただいているので、その考えに沿った対応したいと考えています。

高校生の人生を決めることにつながる問題なので、意見を伺いながら慎重に、そして将来のために協議を行います。