活動報告・レポート
2021年2月2日(火)
県飲食組合からの要望
カイゼン

「カイゼン」研修会に参加しました。トヨタ自動車が実践している取り組みで、その方法論の基礎を学びました。役立つ話がたくさんありましたが、その中から二つを、自分の解釈を加えて紹介します。

  • 加工することで情報に変化を与えることができること。情報を得たけれどそのままにしておくと変化はありません。変化がない状態を停滞と言いますが、多くの人は情報を集めても加工しないので変化をつけることが出来ていません。情報は加工しないことには変化を起こさないものです。加工するのは自分ですから、自分で加工することによって自分の好きなように情報を変化させることができます。
  • 真因から得られるものを大事にしてください。ですから不具合や何かの出来事があれば、原因を探るのではなく真因を見つけることです。真因に辿り着くためには、原因を考えて、それが「何故」なのかを自答することを繰り返します。5回ほど「何故」を繰り返すことで真因に辿り着くことができます。真因が分かると真の改善のための対策を講じることが出来ます。
県飲食組合からの要望

和歌山県飲食業生活衛生同業組合の会長を始めとする役員の皆さんと一緒に、知事宛に「新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書」を届けて意見交換を行いました。

理事長からは、

コロナ禍で厳しい状況が続いていますが、組合員は懸命の取り組みをしてお店を維持しようとしています。維持することが地域に貢献することであり、和歌山県の将来につながることだと考えています。要望書にある通り、組合員のお店では最大限の感染症対策を実施してお客さんをお迎えする体制を整えています。しかし緊急事態宣言の都府県と同じように、全国的には「午後8時以降の外食は控えるように」という流れが出来ています。和歌山県も例会ではなく、夜間はお客さんが来てくれない状況が続いています。飲食店が生き延びられるように、和歌山県としての支援をお願いしたいと思います。

と要望を行いました。

県からは、

今日時点では補助金などで支援することは考えていません。今後、和歌山県でも感染症が拡大して医療崩壊の危機になるとすれば考えますが、今は経済にブレーキを掛けないことを前提とした取り組みをしているので、午後8時以降の営業を控えることは依頼していませんし、県職員にも昼間も夜間の外食を止めてはいません。

という見解が示されました。営業時間短縮や自粛を求めていないので補償もしないという考えです。

この考え方を前提として議論を重ねました。

個人のお店の一般的事例として、売り上げが20パーセント減少すれば、経営はレッドゾーンに入ります。売り上げが50パーセント減少すれば、お店を維持できないレベルになります。積み立てた資金を取り崩して固定費などの支払いに充当することになります。個人の飲食店は零細なので、50パーセント売り上げが減少した場合、その一か月の赤字の穴埋めに一年間の貯えを切り崩すことになります。新型コロナウイルス感染症が拡大していった一年は、このような赤字が継続しているので、大げさに言うとお店の10年間の貯えが消えてしまったことになっています。それほど飲食店の経営は厳しい環境にあります。

個人経営の飲食店はほぼ限界に来ているので、現場の声や雰囲気から、閉店、廃業の危機が迫っていると感じています。感染症対策を講じても「お客さんが来てくれない」状況が続いているのです。これは全国的にアナウンスされている「午後8時以降の飲食は控える」ことが浸透していると思います。そのため和歌山県から「県民の皆さんに外食禁止は呼びかけていない」としても、報道の影響や社会、会社の一員としての自覚、日本人なら持っている「他人さまに迷惑をかけない」精神などから、多くの県民の方々は夜の飲食を控える傾向にあると感じています。

そして個人の飲食店は一度廃業してしまうとお店が元に戻ることはないので、このまま「現時点では支援しない」はやむを得ないとしても、この先もこれで良いとは思っていません。仮に金銭的な支援ができないとしても、飲食店が「よし頑張ろう」「今、もう少し耐えて乗り切ろう」と思えるような、希望の持てる施策を検討してくれることを要望しました。

意見交換の最後に伝えた意見です。

和歌山県信用保証協会は、事業者の皆さんの支援のため理事長を筆頭に迅速な審査と融資を心掛けてくれています。ただ少しでも問題がある事業者の審査は長引く傾向にあるので、緊急時である今を切り抜けて事業が軌道に乗るための融資をお願いしたいと思います。是非、今の時期に必要な融資を継続してくれることをお願いします。

もう一つが第二弾の財政支援のお願いです。組合に加入の事業者の方々は、組合からの指導、県からの指導によって感染症対策を実施して、お客さんを迎えようと体制を整えています。しかし外部環境の悪化から「どれだけ対策を行っても来てくれない」状況があるのです。ですから個人の取り組みを支援する観点から、財政支援も検討して欲しいと思います。昨日、和歌山大学経済学部教授と話しましたが、教授は「飲食店への財政支援は将来への投資です」と語ってくれました。県とお店が協調して危機を乗り切ることが大切で、これは一時的な支援金として消えてしまう効果のない施策ではなく、将来、地域の利益を生み出してくれる地域資源を護るために必要な施策だと考えて欲しいことをお願いします。

以上の意見を述べて「要望書」の提出と意見交換を終えました。

その他
  • 観光事業者との協議を行いました。旅行商品が売れないので、付随する商品に当面の活路を見つけ出す取り組みを支援しています。
  • 貿易の仕事に関する相談に対応しています。コロナ禍にあって都度、状況が変化しているので対応しています。