大学経済学部の教授と、コロナ禍に対応する飲食店への支援策について話し合った結論としてから「厳しい環境にある飲食店への補助は将来への投資と考えて欲しい」と、和歌山県の支援策について提言をいただきました。
緊急事態宣言の都府県は営業の制約と同時に補助金が支給されていますが、それ以外の府県では制約がない代わりに補助金の支給もありません。しかし飲食店の置かれた状況は同様であり、午後8時以降に飲食店に立ち寄るお客さんの数は飲食組合によると「大幅に減少している」状況です。中でも和歌山市の場合、大阪府に近いことから、外食することを控えている傾向にあります。他人に迷惑をかけたくないと思う真面目な県民性の表れであり、県からの呼びかけに真面目に対応している結果ではないかと思います。
その代わり大阪府と同様に外食の機会を減らしていることから、飲食店はお客さんが減少したままの状態になっています。お店では感染症対策を実施していますが、お客さんが来てくれない状況が続いているのです。
東京オリンピックや2025年の関西万博開催の時には、感染状況にもよりますが観光客が和歌山県にも訪れることになります。そんな時、県内の飲食店の数が激減しているなら、観光客を呼び込むことはできませんし、経済効果も期待できなくなります。将来の経済のために、厳しい経営環境にある飲食店への補助金支出は「将来への投資だと考えて欲しい」ということです。
投資はリターンも期待できることに実施するものです。観光を産業と考えている和歌山県にとって、おもてなしと地域の食材を提供している飲食店は大切な地域資源です。全国チェーン店や有名店だけがこの環境を乗り切って、地元の飲食店が激減してしまったなら和歌山県の飲食店の魅力は低下すると思います。観光客は地元の食材を使った和歌山県で味わえる料理に期待しているのであって、自分のまちでも食べられるお店を選択しないと思うのです。
しかしコロナ禍にあって、資金力に乏しい地元のお店が苦しんでいるのです。懸命の取り組みにも関わらず、外部環境の変化によってお客さんが減少し支援を必要としている時に、支援を差し伸べない和歌山県ではいけないと思います。地元の飲食店の方の多くは県民の皆さんです。県民の方が生活や仕事に困っている時、もしも「支援は考えていない」というようなら、一体どんな時に支援するのでしょうか。全国の地方自治体の飲食店に対する支援状況を確かめてみても、県独自の補助金を支出している県があります。
その理由は、飲食店は地域経済を支えているものであり、地元の皆さんや将来、来てくれる観光客のために必要だと考えているからです。
「営業時間の短縮の要請をしていないので補償はしない」は正論だと思いますが、政治には理屈と共に情も必要です。どんなことでも情がなければ人はついてきません。政治も同じことですから、和歌山県は県民の皆さんに優しくて、困っている時に支えてくれる存在でありたいものです。
日本全体が緊急の時ですから、他の県と同様に支援を求めている人の声を聞いてくれる、声が届く県政でありたいと考えています。
今日、和歌山市内の経営者と懇談している中で、今を打開するために必要な意見を聞かせてもらいました。「経営も政治もこんな厳しい時は理屈よりも情が大事です」というものです。全くその通りだと思いますので、緊急時に県政が動くことが求められていると考えています。
- 今月予定している研修会の内容について、講師の方と打ち合わせを行いました。コロナ禍なので感染症対策を講じて実施することにしていますが、その分、制約があるので、制約以上の内容に仕上げるため話し合いました。参加してくれた皆さんに良い経験を持ち帰ってもらいたいと考えています。
- 新規を必要としている企業の追加融資に関して対応しました。金融機関には、コロナ禍において現状を切り抜けたら再び業績の向上を期待して地域の企業を支えて欲しいと願っています。売り上げが減少しているため、今を乗り切るための資金を必要としている企業を潰してしまうと、この先、どの企業が地域を支えてくれるのでしょうか。これまで地域経済の一役を担ってきた企業を支援することが金融機関の役割だと思うのですが、この緊急時を乗り切るための審査が厳しいようなのです。国の第三次補正予算にもあるような追加融資を最大限に生かせるよう、企業からの相談に応じています。