県立高校の就職希望の生徒の事情について相談を受けました。某高校の就職希望の生徒で内定をもらえていない数人がいることを心配してのことです。この高校は企業から人気があり、この時期に内定を得ていない生徒がいることはあまり聞いたことがありません。そこで評定を聞いたところ「評定の最高が4.6など4点以上の生徒を中心に3.6までの生徒ですから、みんな真面目で優秀です」ということです。
内定か決まっていない理由を尋ねたところ、就職希望の生徒は、学校が成績に応じて企業を紹介して採用試験を受けています。試験を受けた企業で内定を得られなかった場合、次に紹介できる企業がないようなのです。一度、入社試験を受けて採用通知が来なかった生徒に対して、次に紹介できる企業がないことが問題になっています。
しかしそれは、成績に応じて入社試験を受けているので、仮に成績が良かったとしても試験を受けた企業の内定を取れなかった場合、他の生徒が別の企業の採用試験を受けて先に内定を取っているケースがあるのです。その場合、成績が良くても、もう採用試験を受けられる企業が残っていないのです。
コロナ禍のため、昨年度から求人をする企業が少ないことが大きく影響しているようです。現時点で内定を取れていない生徒は、就職浪人をして来年度の採用に挑むことにしているようですが、「就職浪人をすると来年度の採用も厳しくなるので、もし叶うなら今年4月から働ける企業があれば良いと思います」ということです。
今週、県教育委員会と相談しながら、学校の状況を踏まえて対応したいと考えています。
日頃からお世話になっているAさんと打ち合わせを行いました。一つは懸案事項の解決に向けた取り組みについてです。ようやく解決までの道筋が見えてきたところですが、どんな問題でも同じように障害物が出てきます。その障害物とは全て人の問題なので「やはり人はどんどん欲が出てくるものだ」と思ってしまいます。
当初は「問題を解決して欲しい」という相談でした。なかなか進まない時は「お願いします」から「どうなっていますか」に変わり、解決の光が見えてきた時には「一刻も早く解決してください。できれば〇〇日までに」と変わってきます。難しい課題解決に対して道筋が見えてくると「早く」という要望へと変化してきます。
気持ちは理解できますが、解決に向けて対応している立場からすると、現場と現実の空間における微妙な感覚というものがあります。その感覚が正しいのか、間違っているのか分かりませんが、確かに感じるものがあるのです。「ここはスピードが必要な場面」「ここはゆっくりする方が良い場面」などの勘があるのです。現場でしか感じることのできない勘を、現場にいない人に言葉で伝えることは、やや難解なものです。
解決に向かう速度は意識していますが、そのスピード感は現場感覚に基づいています。昔の歌の歌詞に「三歩進んで二歩下がる」というのがありますが、社会問題は「この感覚」を持ち、ゆったりと急ぐことが大事なことだと感じています。
今朝の朝日新聞に和歌山大学経済学部の足立基浩教授の「コロナ対策 第二弾期待」の記事が掲載されていました。丁度、足立ゼミの生徒と教授の話をしていたので、この記事に関して話をしました。
先生は携帯電話位置情報を基にしたデータに基づき「和歌山県の感染者が少ないのは、県民の意識が高い」という分析をしています。和歌山県や市町村からの呼びかけに呼応していると言えそうです。この分析と昨今の皆さんからの意見からすると、県民性として「自分の身は自分で護る意識」「周囲に迷惑をかけてはいけない意識」「環境への順応性が高い」などの特長があるかもしれません。
先生はこの記事での結論として「外食産業や観光産業の努力も限界を迎えつつある。今後はこれまでのコロナ感染防止に加えて、特に零細な企業に対してはきめ細かい財政支援が必要になろう。官民連携モデルでさらなる『和歌山モデル』の第二弾を期待したい」と締めくくっています。先週の飲食組合の役員会や現場などの意見から、飲食や観光を始め、中小企業、零細企業は限界に近付いていることを感じています。知事に要望するつもりですが、昨年のコロナ禍における支援に続く、第二弾の支援を訴えていきます。