活動報告・レポート
2021年1月29日(金)
飲食業界の窮状
飲食業界の窮状

和歌山県内の飲食業界の置かれた状況は厳しさを増しています。令和2年12月の忘年会シーズンもお客さんが減少していましたが、今年1月は更にお客さんが減少していると聞きました。

「昨年の秋から12月までも状況は悪かったのですが、1月はそれと比較できないぐらいに、更に落ち込んでいます」という非常事態に陥っています。

役員の方々の思いと組合員さんの意見を聞かせてもらって議論を交わしました。

1.今月のお客さんの入りはさっぱりです。これほどの状況は、これまで経験したことがないものです。11月以降からも状況は悪かったのですが、今月はお客さんがゼロの日も多々あり、2月以降の見通しが全く立たない状況です。予約も入っていませんし、見通しが立てられない状況は初めてのことです。このままでは1月末、または2月末で閉店する、廃業するお店が相当あると思います。

2.飲食店は「待つ商売」です。お客さんの来店を待つことが商売なので、お客さんが来なくても営業時間内は開けておく必要があります。開店してから20時ぐらいまでは待たなければなりません。でも開けていてもお客さんがゼロの時があります。17時から20時までお店を開けている場合、調理人とスタッフの人件費や光熱費などが発生します。もちろんメニューに合わせて仕入れをしているので材料費も発生しています。
人件費と光熱費の支払いと材料費の損失などが嵩んでいるので、徐々に続けることは困難になっています。

3.令和2年の春から夏にかけても厳しかったので、運転資金として金融機関から借り入れを行っています。その借入金は底をついている状況であり、持ちこたえるのが厳しいところまで来ています。国の第三次補正予算で2,000万円の追加融資枠を設定してくれていますが、売り上げが減少していることや返済計画が立てられないことから、再度、融資を受けられるか分かりません。
売り上げがないので金融機関の審査は厳しいものになると思います。資金が不足している中で、経営を続けていくのは困難になっていますから、県や市からの事業を維持するための支援制度を設けて欲しいと思います。

4.営業時間の短縮や開店の日を縮小することも考検討していますが、従業員の生活を考える、雇用を守ることを考えると営業時間短縮はできません。それらの経費は店の持ち出し、つまり経営者の持ち出しになるので、手持ち資金がなくなっていきます。

5.毎月の持ち出し金額が膨らんでいるので、これ以上、持ち堪えることは無理な状況に陥っています。私のお店では、昨年は単月で80万円の持ち出しをしています。年間で1,000万円の持ち出しをしました。個人事業主にとってもう限界です。行政からの支援をお願いしたいと思いますし、再度の融資をお願いたいと思います。

6.支援と融資の組み合わせた支援体制をお願いしたいと思います。持ち出しが多いので融資だけでも返済に無理が生じますから、是非、県と市の支援をお願いしたいです。

7.多くの組合員のお店の売り上げが1/3になっています。売り上げが1/3になっているということは、会社員の給料が1/3になったのと全く意味合いは違います。給料が1/3になった場合は生活が厳しくなりますが、まだ1/3の収入があるのです。
しかし売り上げが1/3になるのは自身の給料がゼロになり、それどころか資金の持ち出しになるのです。預貯金を切り崩して毎月の支払いに充当しているのが売り上げ1/3の意味です。

8.昨年は事業継続給付金や家賃支援制度などの支援があったので乗り切れましたが、既にそれらの資金はなくなっています。飲食店は昨年よりも厳しい環境にあるので、支援金がなければ継続することはできないお店が増えていきます。現状を知っていただき支援をお願いします。

9.失業者160人に対して1人が自殺しているという統計があります。このまま支援を受けられないで推移すると新型コロナによる自殺者が増えていくと思います。今この時期に、支援をお願いします。

10.緊急事態宣言の対象になっていない府県でも飲食店の窮状は全く同じです。和歌山県でも多くの人は外食を控えていますし、官公庁や企業の人は今の時期に外食することはありません。特に20時以降の時間帯はお客さんが全く来なくなっています。緊急事態宣言の都府県と同様の支援の適用をお願いします。飲食店を取り巻く状況は同じですから。

11.日本国民には生存権が保証されています。そのため生活保護制度があります。飲食店はコロナ禍でお客さんが来てくれず、売り上げが大きく減少、マイナス会計になっています。生活保護の方が飲食店の経営者や働く人の収入を上回っているのです。
生存権の観点から、緊急時のためコロナ禍が収束するまで間、生活保護者の所得よりも低い場合、救済策として生活保護に見合う支援金制度を創設してください。緊急時だけの特例としてこの救済制度を考えてくれることを要望します。飲食店の窮状は、もうここまで来ています。「生きる」ために懸命に働いている人への支援制度をお願いします。

12.和歌山県は「Go To Eat」を継続してくれているのは有り難いと思っています。これは継続してください。

要約すると以上のような議論を交わしました。飲食店が窮地に陥っていることを「大変だ」「苦しい」と騒いでも伝わらないと思います。それよりも文章として書いて、為政者や担当者が読んで「なるほど」と思ってもらえる文書にする必要があります。

多くの場合、依頼する人が文書を書かずして「大変だ」「支援して欲しい」などを言うだけです。それでは担当者を説得できませんし「なるほど、そうだ」と思ってもらえません。

知事や市長に窮状を理解してもらって、何としても支援しなければと思ってもらえる要望にしたいと考えています。