ある組織の長だった方から、仕事は、特に緊急事態の時は、早期に、より正確な情報を得ることが大事であることを伝えてくれました。そのために行っていたことは次のことです。
情報は直属の部下からの報告を全て鵜呑みにしてはいけません。直属の部下は直属の上司に良い情報に加工して伝える。または良い情報だけを報告する傾向にあるからです。それが危機にあっても「対応しているので問題はありません」など、危機であることを包み隠しての報告になることが多々あります。
そこで直属の部下ではない所属員に情報を聞くことにしていました。部長であれば係長に、課長であれば主任に聞くことで正確な情報が得られます。責任者は判断を誤ってはいけないので、正確な情報を把握する必要があります。如何にして正確な情報を得るか。それが責任者として心掛けておくべきことです。
情報に誤りがあると判断を誤りますから、求めていた結果が違ったものになります。結果責任を取るのは指揮官ですから、フィルターのかかっていない情報を得ることです。一次情報を得るようにすべきですが、全ての情報が元から取れることはありません。ですから情報は、一次情報に近いもの、一次情報に迫れるものであるべきです。そのためには、日頃から人を大事にしておくべきです。情報は人が伝えてくれるものだからです。
もうひとつ、組織について聞かせてくれました。「会社では時代に即応するために、組織改正やしくみを変えるところが多いのです。これらのように体制を変えることは比較的簡単です。しかし変化するために真に必要なことは意識改革です。でもこの意識改革が難しいのです。ですから組織は人に尽きるのです」という話です。
沖縄県から和歌山市に転勤してきた方を紹介してもらったので懇談しました。住んでいるのは「便利だと聞いていたので」ということで和歌山市本町です。ところが「引っ越してきたばかりで部屋が片付いていないので外食をしようと街に出たのですが、飲食店が少ないうえ全て閉まっていたのです。それで、駅に行けば食べるお店はあるだろうと思って和歌山市駅まで歩いたのですが、到着した時間が2時30分を過ぎていたのでお昼の営業は閉店になっていました。仕方なくコンビニによってお弁当を買って部屋で食べました。確かに人通りが少ないと思いますが、お昼の食べるところは欲しいと思います。初対面でこんな話をするのは悪いのですが」という意見をいただきました。
他県から和歌山市に来た土地勘のない人にとって、そう感じるという現状を知らせてもらったように捉えています。地元では気付かないところを気づいての指摘ですから、まちの問題点だと考えて対応すべきものです。民間活力が必要なので簡単には改善できませんが、改善意見として受け止めさせてもらいます。
今月末で退職予定のKさんにお世話になったメンバーで、お祝いの懇談会を行いました。コロナ禍のため食事会ではなく懇談会の形を取り、これまでのお礼と今後の交流について会話しました。「コロナ禍なのに、集まって懇談の機会を持ってくれただけで有り難いことです」とお礼の言葉をいただきました。
話を伺うと、これまで多くの人と出会いがあり、人の温かい心に触れられたことが現在の財産になっているとのことです。出会いの数だけ思い出があり、これから先も続くご縁が残っています。仕事の結果よりも人との出会いが財産になっている。そう思いました。