寒波到来によって電力需給が逼迫していますが、電力会社がこの状況に対応していることは知られていないように思います。寒波の影響で寒さが増している今週1月12日から、電力供給に対する電力需要の割合を示す電力需給率が99%に達している時間がありました。そのため電気事業連合会と電力会社は寒さの影響を考えるなど、それぞれの健康と安全を確保することを前提に節電を呼びかけました。
電力受給率が逼迫しているのは、現在の主力電源である火力発電所の燃料であるLNGの調達が厳しくなっていることが原因です。主力電源であるLNG火力発電所は、わが国の発電電力量の約40パーセントを担っています。これは電力需要の増減に迅速に対応できること、原子力発電が停止していることなどの理由によるものです。
ところがLNGは天然ガスを低温で液化して保管しているため長期にわたる備蓄ができないうえに、現在、調達が厳しくなっている状況にあります。
LNGのスポット価格について「東洋経済(2021年1月14日)」から以下、引用します。
「エネルギー業界関係者はLNGのスポット価格の高騰に関して『新型コロナウイルスの感染拡大で需要が減っていた2020年4月当時の100万BTU(英国熱量単位)当たり4ドル弱だったものが、最近では約28ドルをつけている。これまで20ドルを大きく超えることはなかった』」ということです。
そしてLNGの需給事情が厳しくなっている原因に関して、同紙は次のように伝えています。
ただ天然資源であるLNGは、不足したからと言って直ぐに調達することは困難なのです。
LNGは産出国との長期契約が主な契約方法であり、スポットでの調達をしても日本に届くまでには約2カ月の期間を必要としています。この燃料は生産から調達するまでのリードタイムが長期のため、寒波などの影響で需要が急増したとしても、LNGのサプライチェーンは需要の急変には対応できないという特徴があります。
そのため発電所を有する電力会社の間では、連日、天候や気温などの条件から電力需要を想定して電力間での電力融通を行っています。電力融通とは、電力会社から他の電力会社へ電力を送ることを言いますが、連日、この電力融通を行いながら電力不足に陥らないように努めているのです。
多くの関係者が翌日の電力需要に対応するため、連日連夜協議を行い停電することのないように備えているのです。このような今冬の電力事情は多くの人が知らないと思います。
これを電力事業者だから「当たり前」と思うのか、危機対応してくれて「有り難い」と思うのかは人それぞれだと思います。ここで学びたいことは、現代社会が維持できているのは、知らないところ、見えないところで覚悟と責任を持って社会を支えてくれている人がいるからだということです。少し飛躍するかも知れませんが、私達の感謝の気持ちが社会を支えていると思います。
- 協力を求めるため、現時点の企業誘致に関する説明を行いました。何としても誘致の実現を図るために最大限の取り組みを行っています。
- 学校教育に関する話し合いを行いました。教育内容は勿論のこと、学んだ成果を地元で発揮できる仕事の環境までを創り出したいと考えています。
- 将来の再生可能エネルギーに関する話し合いを行いました。今冬の寒さが厳しい日の電力需給が逼迫していることから、現状への対応を実施すると共に、改めてエネルギーを考える契機になっています。