尊敬する経営者の事務所を訪ね新年の挨拶を行い、話を聞かせてもらいました。
コロナ禍では先を見通す力というよりも、今を見つめる力と、今に順応する力が必要だということです。コロナ禍の先の世界を誰も見通すことは出来ませんから、博打のようなこの先を見通そうとするよりも、今、自分の仕事、やるべきことを着実に行うことが次に備えることになります。あれこれ考えるよりも、今できること、やるべきことを着実にやる。それが今を生きて、乗り切る力になります。
現在の日本の金融政策については、貨幣バブルですが、個人でとやかく言ったとしても、どうすることもできません。円の発行量は増え続けているので円安になるべきですが、そうならないのはドルが弱すぎるからです。ドルが弱いということはアメリカ経済が弱いことであり、それによって日本がインフレにならないでいるのです。賃金が上がらない中でインフレになれば、困るのは働いて所得を得ている人です。アメリカが弱いのでインフレにならない、急激なインフレにならないのが救いですが、通貨発行量が増えていることから金融資産の価値は下がっています。
加えてわが国の供給力は十分にあるけれど需要がないので、モノの値段が上がらない側面もあります。
アメリカ経済が弱いことと国内需要が少ないことからインフレに向かっていないことを理解して、自己防衛をすべきだということです。例えば、家や事務所、必要なものを買うよりも借りることの方が自己防衛になります。必要ないものは持たないことがポストコロナに向けた防衛となります。
以上はほんの一部ですが、たくさんの学びを得ることが出来ました。
経済と歴史研究家の先生を訪ねて質疑を交わしてきました。
アベノミクス以降は急激に通貨発行量が増加しているので、将来的にはインフレに向かうことになります。ただ国内需要が少ないことから直ちにインフレには向かいません。この経済状況でインフレに向かうと悲惨なことになります。恐慌にはなりませんが、給与が上がらない中でのインフレは生活が苦しくなるからです。1980年代のアメリカで起きたスタグフレーションのような状況は最悪ですが、現状ではそうはならないと推測しています。
ただインフレのきっかけとなるべきことは食糧危機です。中国の大洪水で春以降の食料は不足することを予想していますが、食料が不足することで食料価格が上昇しますからインフレのトリガーになり得ます。食料が不足する事態になればアメリカを始め農産物輸出国は自国を守るため輸出をストップしますから、日本の食糧事情に大きな影響が及びます。これがインフレのトリガーにならなければ良いのですが。
このようにドルの実力が低下していますが、わが国は国内需要が弱いのでインフレに向かわないのです。円が弱くなる状況ですが、ドルがもっと弱いので円安には向かわないで、円高ドル安に向かっているのです。日銀がどれだけ円安に誘導しようとしても、円高に向かっているのはアメリカ経済が弱いからです。
わが国は円をドルに連動させる政策を取っています。韓国のウォンがドルに対してウォン高になっているのに伴い、円もウォンに対して弱くなっています。韓国経済も決して強い訳ではなくコロナ禍で弱っていますが、その韓国に対してドルも円も切り下がっているのは、経済としておかしなことです。
また日本の低金利政策が中国経済を強めてしまったことを知るべきです。低金利のため日本のお金が外国に流出したため、その資金を基にして中国経済を成長させたのです。もうひとつがわが国の技術移転を積極的に促進したため、それも中国の経済成長につながっています。
このように日本の資金と技術が中国に流れたことが、または意図をもって流したことが中国の経済成長の原因となったのです。結果としてアメリカと並ぶ大国、現代の中国を創り出したのです。わが国の外交をどうすべきか考えるべきテーマです。