活動報告・レポート
2021年1月2日(土)
新年の贈り物
新年の贈り物

社会は働いてくれている全ての人によって支えられている。そんなことを感じる会話がありました。今ある仕事のひとつがなくなれば、生活が変わることになります。朝起きた時に使う、歯磨きがなければどんな朝になるのでしょうか。洗顔せっけんがなければ、気持ちの良い朝を迎えることが出来ないと思います。トイレットペーパーがなければ、どれだけ不便だと感じるのでしょうか。

仕事も同じで、お正月でも営業をしてくれるスーパーやコンビニがあることが、仮に利用しないとしても豊かに感じさせてくれています。お正月でもそこで働いてくれている人がいます。

その人たちがいなければお店の営業は成り立ちませんし、街の光景は変わったものになっていると思います。

ところで次のような話を聞かせてもらいました。

どんな仕事であっても、そこで働いている人は尊いと思います。その人がいることで私達の生活を豊かにしてくれているのですから、感謝の気持ちを持たなければなりません。例えば、この辺りの家は私のところも含めて水洗化されていないので浄化槽を設置しています。だからこの辺りで暮らしている人は全員、し尿汲み取りの仕事をしている方が来てくれると「ありがとう」と言っていますし、感謝の気持ちを持っています。この仕事をしてくれているから私達の生活が成り立っているからです。

社会は仕事で成り立っていますし、仕事をしてくれる人がいるから豊かで安心した生活が保てていることに感謝しています。だからどんな仕事も大変だけれども、尊いと思っています。私達の子どもの頃の昭和20年代はとても貧しい時代でした。お金がないので進学することよりも、生活のために中学校を卒業したら働くことは珍しいことではありませんでした。姉は中学校を卒業して直ぐに二人の弟のために働きました。姉が中学校一年生の時に母親が亡くなり、既に父親として死別していたので両親ともいなくなったからです。姉は卒業後、働いて二人の弟の面倒を見ながら生活を支えてくれたのです。兄弟の中で姉は一番頭が良かったと思います。

そんな状況だったので、もちろん私達、兄弟二人も中学校を卒業して働きました。正社員なんて直ぐになれなかったので、最初に働いてから7回転職しました。慣れない現場の仕事でしたが楽しくやってきました。しかし将来は家庭を持ちたいと思って、当時、和歌山市にできた工場の期間工の試験を受けました。試験と面接を受けて採用が決まり、最初は期間工として、その後は正社員として採用されたので生活が安定していきました。

だから仕事の大変さは分かりますし、どんな仕事でも社会を支えている尊い仕事であることも分かっています。中学校卒ですが社会経験と、もう80年以上も生きて来たので人生のことを話すことが出来ます。立派な肩書があったわけではないのですが、厳しい社会の中で働いてきたからそれでも話せることがあります。嫌なことも苦しいこともたくさんあったけれど、それらに堪えてきました。堪えて頑張らないといけないのです。理屈をその場で言って逃れるのではなく、自ら行動することが大事なことだからです。

働いてお金をもらった時は嬉しいものです。自分の働きが評価されたのですから。どんな仕事でもいいと思います。働いて得たお金をもらった時の嬉しさを忘れないようにすれば、社会を支えてくれている人に感謝の気持ちが自然に出てくると思います。

だからその働いている人がいる現場をしらないで、ただ遠くから理屈を言うだけで自ら行動を取らないことはやめるべきです。経験によって得た尊いものを、経験していない人がインターネットからの知識で知ったような話をしても響きません。人は人と会って、一緒に仕事をして磨かれるものです。知識も大事ですが、そこに経験を加えなければ社会で生きていくための手段にはなりません。

心に響く話を伝えてくれました。新年の贈り物になりました。