多くの企業が仕事納めの日を迎えました。皆さんと挨拶を交わしながら来年の話にも触れることが出来ました。
観光業界の方からは「ホテル、旅館は影響を受けています。年末、年始の予約が減少していて回復の目途が立っていません。来春も厳しいことを予測して対応したいと考えていますが対策がないのです。リモートホテルも収益につながりませんし、ホテル関係の商品販売も収益改善に結びついていないので苦戦しています」と聞かせてもらいました。特にインバウンドのお客さんがなくなったことが痛手のようで「来年もインバウンドが回復しなければ苦しい環境が続くことになります」という見通しです。
また地方鉄道も厳しい環境にあり、和歌山市を走る貴志川線にも触れ「貴志川線も通勤、通学の時間帯以外のお客さんは減少しています。これまで昼間は、台湾やインバウンドのお客さんが乗車してくれていたのですが、それがなくなっています。県や市の補助金を受けて鉄道は存続していますが、今年は収益が落ち込んでいるので厳しさを増しています。これからも存続させるためには行政と地方鉄道のあり方も考える必要が生じています」。
他の県の地方鉄道の中には、鉄道グッズを販売しているところや映画を製作しているなど、鉄道収入以外の売り上げを伸ばしているところがありますが、本業の回復がなければ厳しい環境には変わりません。
「貴志川線は通勤と通学のお客さんがいることが強みなので、企業誘致と沿線の学校との共生の取り組みを継続して欲しいと思います」という意見がありました。公立高校の再編計画がありますから、もし通学客が減少するようなことがあれば、乗降客の減少に更に追い打ちをかけることになります。社会は多くのことに関連性がありますから、一つのことに変化が生じると他にも影響を与えるのです。
企業誘致は雇用拡大、住宅需要の拡大、そして鉄道利用者の増加にもつながるものなので、継続して誘致活動を続けていきます。
また和歌山県の観光客案内のために、僕が行った語り部的な活動についての結果報告を行いました。今年は白浜町の太刀ケ谷神社への案内が主な取り組みとなりました。これまでは和歌山市内の案内が主な取り組みでしたが、今年は日本書紀編纂1300年の年であり、和歌山県内で「記紀の旅」に所縁の地として太刀ケ谷神社の案内を実施したところです。県内外の皆さんに同神社の説明を続けてきたので、少しですが効果があったと考えています。ただ和歌山市内の多くの人には、まだまだ知られていないので、来年も引き続いて説明を行い、多くの方に関心を持っていただきたいと考えています。
コロナ禍の下、和歌山県を訪れる観光客は減少していることから、皆さんからの語り部的な報告は、例年よりも少なかったように感じます。来年、観光業界は一気にとはいかないまでも、回復してくれることを祈っています。
また今日お会いした観光業界の方によると、ホテルや旅館、地方鉄道や観光客対応などは、以前の状態に戻るまでに相当の時間を要する見込みをしています。以前と同じ100パーセントの状態に戻るのは、社会の変化が起きているので難しいという見込みを立てています。以前の80パーセントぐらいまで回復すれば良い方だと考えており、残りの20パーセントはインターネット活用、業態の一部転換、そして経費削減などが方策ですが、実際は簡単なことではありません。
インターネットの活用は先行企業がいますし、業態転換にしても、転換しようとする分野で先行している企業があるからです。経費削減はこれまでも見直しをしている筈なので、絞り込んでいる今以上の削減は簡単ではないのです。
今日、観光業界の現状とこれらの課題の意見交換を行いましたが、みんなが意見を出し合うことがヒントを見つけることになるので、これからのために大事なことだと考えています。