活動報告・レポート
2020年12月12日(土)
日本人の価値観
日本人の価値観

お悔やみを伝えるためにTさん宅を訪ねました。会話を交わした後、Tさんの畑のある場所まで歩いて行きました。そこには野菜の無人販売所が設置されていて、「野菜を100円で販売していますが、きちんとお金を入れてくれています。さすが日本人だと思います」と話してくれたのです。無人販売所であっても、野菜を買った人がお金を入れるのは当たり前のことですが、それが成立している日本社会の凄さを感じました。

日本人の価値観の根底には「人が見ていなくてもお天道様が見ている」という考え方をあるからだと思います。子どもの頃、「誰も見ていないと思っていてもお天道様が見ているから。人の物を盗んだり、悪いことをしてはバチが当たりますよ」と教えられました。当時は空から誰かが見ているような気がしていたので、人の行動は神様が見ていると信じていたのです。同世代の多くの子どもは同じような教えを受けていたと思います。

ただ最近は「お天道様が見ている」という言葉を聞く機会が少なくなってきました。「誰も見ていないから」という価値観が増え始めていなければ良いと思うので、この無人販売所の話は安心感がありました。

ところが日本人には、もう一つの側面があること聞きました。畑の近くに地元のお社がありました。老朽化していたので、地元のみんなでお金を出し合って改築したお社です。このお社の前に御賽銭箱を設けていたのですが、これまで二度、お賽銭箱が壊されて、中のお金を盗まれた事例が発生していると聞きました。警察の捜査も行ったようですが、犯人が見つからないままになっています。

現在、御賽銭箱はお社の中に設置しているので盗まれることはなくなっていますが、「同じ地域なのに、無人販売所にはお金が入れられて、お賽銭箱は壊されてお金が盗まれている」相反する行為があります。

日本人の価値観を信じたいのですが、管理者がいないお社では盗みが発生している。これも日本人価値なのです。人が見ていなくても善行をする日本人。人が見ていないから盗みを働く日本人。同じ日本人でも価値観が違う人がいることは事実です。多くの日本人はお天道様の存在を意識していると信じますが、そのことを伝え続けなければ、日本人価値が崩れてしまう時代も訪れるかもしれません。

偉人を敬う教育、親から受けた教えを伝えることなど、先人から受け継いでいる良い価値に気付きたいと思う事例です。

安全文化

岩出市内の会社を訪ねました。今年も仕事を始め、何かとお世話になったこともあり、今年最終の打ち合わせを行いました。ここで企業価値に触れることが出来ました。この会社は「現場の安全」を最優先していることです。現場を第一にしている会社は多いのですが、仕事は大事なことは言うまでもありませんが、それよりも安全を最優先の価値として位置づけているのです。

人数の少ない会社では、納期やコストの慣例から安全を疎かにすることも、ないことはないと思います。しかしこの会社には大手企業で勤め上げ、退職後、この会社にお世話になっている方がいます。

その方が「私の身体には大企業の安全文化、安全意識は沁みついています。地元企業が、安全にコストを支払える企業と比較することは無理なことですが、最低限の安全意識を植え付けることで、安全作業をする文化をつくろうとしています。安全は直接的な利益をあげることはできませんし、面倒くさい故障や作業前確認などの行為が必要ですが、絶対に必要なことです。もし事故が起きると現場は止まりますし、企業の社会的信頼も落ちることになります。安全作業こそ企業価値だと思っています」と思いを話してくれました。

安全と健康は最も意識すべきことですが、平時は後回しにされる傾向があります。企業にとっての安全文化を根付かせることは大切なことなので、安全意識を持った人が始動できる体制を整えていることは、納期や品質面でも信頼できる会社だと思います。