経営者であるMさんを訪ねました。コロナ禍において和歌山県も例外なく厳しい社会情勢であることの意見交換を行いました。そんな中、「和歌山県は経営環境にありますが、お陰様で私のところの業績は例年よりも落ちているけれど、他の業種と比較すれば落ち込みの程度は『まし』な方です」と話してくれました。
業態によって温度差はあるので一概には言えませんが、この会社が売り上げを維持しているのはMさんの経営に関する考え方も好影響を及ぼしていると思います。
日頃からMさんは「人は徳を積むことが大事ですよ。仕事でも何でもそうです。徳を積んでいる人は苦しい時でも誰かが助けてくれますから。世間は徳を積んでいる人を見捨てることはしませんから」と話してくれています。これはコロナ禍になってからのことではなく、Mさんから何年も前から教訓として伝えてもらっていることです。
「人と会うことや接触する機会が減少している社会へと変化しているので、訪問することやマイクで説明することは避けるべき状況にあります。直接会わなくても、こちらのことを理解してもらえるのは徳を積んでいるからです。こんな時に分かるのです。徳を積んでいない人は見放されますから」という意見です。
会わなくてもこちらのことを理解してくれて、継続して協力関係が築かれているのは、「徳」のお陰だということです。
その通りだと思います。徳は一人で積むことはできません。徳は人が運んできてくれるものだからです。人と会って要望を聞いて対応してきたこと、お願いに対して応えてきたことなどが徳となって積み重なっているのです。徳は一人で創り上げることが出来ないもので、人からいただくものです。これまで人のために尽くしてきたことが徳となり、社会環境が変化しても慌てないでいられるということです。
何度、聞いても勉強になる話しです。こんな話を聞かせてもらえることは有り難いことです。
洋上風力発電や宇宙産業、ビジネスジェットに関して議論を交わしました。
洋上風力発電の特長は大容量であり、経済効果があることや雇用も発生することなどから、再生可能エネルギーの中で将来有望なエネルギーとして考えられています。ヨーロッパでは既に建設、稼働して、有望な電源となっていますが、わが国ではこれからのエネルギーとして、ようやく動き始めたところです。
秋田県や千葉県では事業者の公募が開始されているように、条件が整った海域での活用が期待されています。但し、地元同意と既存産業との共生を図ることが前提になります。全国の動向を見守りたいと考えています。
また宇宙産業の誘致可能な適地はわが国では少ないと思います。ロケット射場がある鹿児島県と、現在建設中の和歌山県が該当するので、和歌山県のこれからを担う産業として誘致したいところです。
また県内の南紀白浜空港において新ターミナルビルを建設中であり、ここをビジネスジェットの聖地にすることを目指しています。これから新産業の誘致と共に、ビジネスジェットの需要が発生してくると思います。県内に空港があることは大きな利点であり、活用を図るべきだと考えています。国内だけではなく外国企業と提携を図ることで有効活用につながります。近い将来、ビジネスジェットの聖地の実現を目指したいと考えています。
これらの事業の将来性と課題などに関して議論を交わしました。現段階で確定しているものはありませんが、可能性を求めたいと考えています。
議論を終えて庁舎の外に出ると、既に暗くなっていました。