ある方の困りごとの相談に応じている時のことです。相談者が問題解決の迅速化を求めていたので、自らの想定に基づいて「動きます」という気持ちがありました。
その時、立ち会ってくれた方が「自分で行動することは良いことですが、相手のいる案件は法律や条例などの根拠に基づいて動く、確認する、相手と話すことが必要です。根拠がないけれど、『疑わしいと思うからその人が加害者だ』と思って行動することは危険なことです。根拠がないことで相手を罰することができないのは『法の支配』の国の原則です」とおっしゃっていました。
問題が発生して相手と争う場合、明確に根拠や証拠が必要となりますから、一般的に長い時間を要します。当事者間で話し合いをすれば短時間で解決できるものですが、公的機関が関わると、証拠に加えて双方の主張もありますから、長い時間がかかるのです。
だから早期解決を求めたい気持ちがあれば、「遅い」「動いてくれない」「何もしてくれない」という感情が出てきます。
そこで立ち会ってくれた人が「県民個人として動くことに限界があります。まして個人で問題に対応していると、自分が責任者そのものですから誰も護ってくれません。そんな時、頼りになるのが議員さんです。議員は選挙で選ばれた県民の代表ですから、多くの場合、誰とでも話をすることができます。そして依頼者である県民を護ってくれるのです。だから議員は県民の壁になるべき力強い存在なのです。護ってくる人がいるのと、いないのとではあなたの立場が全く違ってきます。個人で解決が難しい問題でも、議員さんが入ってくれることで話し合いができますし、壁となって護ってくれているのです」と話してくれました。
県民の皆さんを護る壁であるべき存在が議員。責任感を背負う言葉ですが、その通りで防波堤、防潮堤など災害などから人を護る壁となる人が議員だということです。凄い言葉に出会うことができました。
社会で自分を護ってくれるのは組織です。個人で護ってくれるのは弁護士やら税理士などの仕事をしている人と議員です。でも組織は自分がそこに所属しているか、よほど親しい人が組織にいることが必要です。弁護士や税理士は正義でありますが生業でもあるので、相談料や着手金が必要となります。みんな壁になってくれますが、県民の方にとって議員もこれらの専門家と同じような存在なのです。相談内容から法律や条令、行政法に基づいて理論を考え、同様の事例を調べ、成果を出すために行動する存在なのです。相談者にとって壁となりますし、相手にとっては壁と対峙していることになるので、こちら側にまで踏み込んで来れなくなります。
相談を終えた後、相談者が「あの方は片桐さんのことを信頼して気に入っていますね。言葉も表情もいつもと違いますから。人にそう思わせることができるって凄いと思います。これは立場や肩書ではなく日頃のつきあいで信頼されているからだと思います」と話してくれました。
改めて「議員とは県民の皆さんの壁である」。この言葉を噛みしめたいと思います。
そして壁は人の後ろにあって存在感を出しているものです。後ろに安心感があると人は思い切って行動できますから、後ろに壁があるのとないのとでは、気持ちも行動も大きく違ってきます。今日の激励に心から感謝しています。
- 「片桐さん、このカレンダー使ってください」と言って、令和3年用の荒了寛さんのカレンダーを届けてくれました。毎月、教訓の言葉が詰まっています。来年の月々の心掛けにしたいと思います。
- 人を説得する名人級の方の話を聞かせてもらいました。それは納得と説得を同時に達成していると言うことです。簡単なようで難しいことですが、その方は簡単にやってのけています。改めて「凄い」と思いました。