青森県研修会二日目は、原子燃料サイクル施設を訪れました。人口1万人の村ですが、この施設があることによって雇用が生み出されています。
- 従業員2,928人の内、青森県出身者は約62パーセントです。
- 2020年度の新入社員81名の内、青森県出身者は69名です。
- プロパー社員の割合は約88パーセントです。
- 協力企業数は約90社あります。
- 現地就労者数は一日平均して約5,000名です。
地元雇用につながっていることが分かります。
参加者からの主な質問は次の通りです。
- 廃棄物を受け入れていますが安全に管理できているのですか。放射能漏れなど周辺環境への影響はありませんか。
- 津波が到来した場合、管理している放射性廃棄物は安全なのでしょうか。
- 地震によって地面が揺らいだ時、保管している廃棄物の安全は確保できるのでしょうか。
- これ以上廃棄物が増え続けると、受け入れが出来なくなるのではないですか。
- 日本原燃は株式会社ですが、収益はどこから上げているのですか。
- 廃棄物は空冷式で冷やしていると聞きましたが、保管した廃棄物に触れた空気は放射線を含んでいないのですか。
以上のような質問があり対応しました。
専門ではない巨大技術、科学技術のしくみや安全性を、説明を聞いたからと言って、そのすべてを理解することは困難です。安全と安心と言いますが、安全は専門家、技術者が確保してくれるのに対して、安心は心の部分ですから、その科学技術の恩恵を受けている私達の心が判断するものです。つまり安心できると心で感じられたら安心だと判断できるものです。心でそう思えるのは、説明者の人柄、会社の信頼、地域への貢献、社会的使命などを総合的に勘案して判断するものだと思います。
「安心は安全と異なり絶対ではないけれども、関わる人が信頼できるから安心」ということになります。科学技術に絶対はありませんから、安心できるものであると思ってもらうことが信頼であり、その人が判断する安心なのです。学習会や視察は「安心」を感じるかどうか判断するためのツールであり、最低それがないと判断できないものです。専門的な科学技術の学習機会を得ることは大切なことだと思います。
現地に行って、専門家の話を聞いて「安心を得られるかどうか」。科学技術を前向きに進めるためには、心のあり方が大事なことです。
また観光行政の一環として奥入瀬渓流を訪ねました。この季節の奥入瀬渓流は紅葉が見事で、多くの観光客が訪れています。この地の自然そのものに価値があり、人が出過ぎたことをしないことが魅力になっています。季節が織りなす自然そのものが、訪れる価値を持たせています。
僕にとって奥入瀬渓流は思い出の場所の一つです。高校時代の友人だった関君が北里大学在学中の時、八戸市と奥入瀬渓流を訪ねたことがあります。レンタカーを借りて十和田湖まで行ったことを今でも覚えています。あの時と変わらない光景があるので、もう38年も前のことを思い出すのです。そんな関君は既にこの世を去り、思い出の中の存在ですが、その姿は色褪せることはありません。奥入瀬渓流に来ると、時代を遡って昭和の時に戻ってしまいます。
二か所を訪ねて二日間の学習会と視察を無事終えました。参加してくれた皆さんに感謝しています。