活動報告・レポート
2020年10月22日(木)
青森県研修会
青森県研修会
青森県研修会

青森県で二日間の研修会に参加します。初日は日本原子力文化財団と原子力発電環境整備機構から講師に来ていただき、地層処分に関する学習会を受けました。地層処分については北海道で候補地に名乗りを上げた町と、国から文献調査の申し入れをした村が出てきました。エネルギー問題は国策であり、地層処分は、わが国が解決しなければならない、解決の見通しを立てておくべき課題です。原子力技術は50年ぐらいの稼働実績があり、私達はその恩恵を受けてきました。

その間、原子力発電所からの廃棄物が発生していますが、処分地が決まっていないのです。説明で世代の責任の話がありましたが、「次の世代に負担を残さないために、原子力技術を利用してきた私達の世代で処分に道筋をつけなくてはなりません」ということです。これ以上の先送りは避けたい、責任回避は止めたいということです。

ただ処分地の決定に際しては、地層処分の考え方、適地性、安全確保の仕組みなどを知るべきだと思います。専門家の説明を聞く、現地を見る、質問するなど、避けられない課題に対応するためには聞く、知る、学ぶことが大事です。知らずに賛成、知らずに反対は社会問題を考えて判断することはやめたい行為です。

本日、飛行機で移動しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で航空業界の経営が厳しくなっており、経営課題に対応しているようですが、航空会社がなくなっては大変だから頑張って欲しいと思っている方が多いと思います。それは飛行機で移動の恩恵を受けているからです。航空、エネルギー、食糧などの課題は国策であり、私達は大筋を知ったうえ、その課題を考えるべきものです。この研修機会を与えてもらったことに感謝しています。

またスウェーデンの処分地に選定されたエストハンマル市長の誘致した見解を示してくれました。

  1. ハイテク技術が集まる工業団地になること。
  2. 処分施設はまた地域の雇用と生活を向上させること。
  3. 優れた人材が集まり、研究者や見学者が世界中から訪れること。誘致した市長は市の将来に前向きなイメージを描いており、市民がそのイメージを共有したようです。

物事の解釈や表現の仕方によって、同じものでもイメージが異なるものになります。廃棄物処理というとネガティブになり、ハイテク技術と言うと前向きなイメージなります。

一緒に研修会に参加した方から、次のような意見を聞かせてもらいました。

処分の問題は報道で読む程度で学習する機会はなく、これまで多くを知らないでいました。学習会に参加して、知って行動を起こさないのは知らないのと同じことだと思うようになりました。知った上で賛否を判断することが大事だと思いました。
廃棄物の問題は現実のものであり放置しても解決できないことを知りました。反対して処分地選定が前に進まないことを是とするのか、更に説明を聞いて、将来、より安全な方法を実施するのか考える必要があると思いました。
処分地を選定して計画を進めることは反対の立場を取っています。ただ現状と将来の安全な管理や世代の責任などの観点を持つ必要があることを感じました。反対、反対というのではなく、専門家の話を聞いて考えることも必要だと思うようになりました。
企業進出を反対していきた地域は衰退しているように、実態を知らないで処分地に反対するばかりでは国力の衰退につながると思いました。国の課題を考えないで先送りする姿勢では、国際的に国の信頼は低下するばかりです。あるべき課題は議論をして解決に向けて取り組みを進めることが国家だと思います。

学習会に参加した方が、以上のような意見を聞かせてくれました。

明日は六ケ所村の視察を予定しています。