活動報告・レポート
2020年10月13日(火)
宇宙と古事記
宇宙と古事記
経営者モーニングセミナー

経営者モーニングセミナーに参加しました。本日の講師は元和歌山大学観光学部特任教授の上野敦子さんで、テーマは「宇宙と古事記」でした。心が鎮まり気持ちが良くなり、もっと聞いていたいと思える講演でした。講演を聞いて僕が感じたことを以下に記します。

宇宙開発は日本がリードしなければなりません。欧米の考え方は「征」であり、日本は「和」ですから、宇宙開発を各国の領地拡大の争いにしてはなりません。「和」の精神で宇宙開発することによって安定と平和が保たれると思います。

優れた精神性、技術力そして知恵を日本人は持っています。どの人でも欲するものを日本人は持っています。各国が競って求めるものを、古事記の時代から私達は持っているのですから、この国を誇りに思うべきです。

若田光一宇宙飛行士が宇宙ステーションで世界に伝えたことは「和」です。宇宙では意見の対立や喧嘩が絶えないそうです。そんな時、争うことに解決の手段を求めても対立構造を生み出すだけです。そこに「和」の精神が必要なのです。

日本人は「NOと言えない」など言われた時期がありました。「NO」と言えることが強さであり「YES」しか言えないことは弱さだとされてきました。しかしそれは弱さではないと思います。欧米人の価値は「白と黒」などはっきり区分けされるもので、その間の色はありません。日本人は「白と黒」の間に灰色があり、しかも灰色の色合いは数多くあります。つまり「白と黒」の間には人によって感じ方が異なる無数の灰色が存在しているのです。「白と黒」を決められないことが弱さではないことに気付きます。むしろ欧米にはない無数の色の表現ができる、選択肢がある日本人の特性は弱さではなく強さなのです。二者択一ではなく、無数の中から最適なものを選択できる強さを持っているのです。

このことは色一色、音一つにしても感じ方が違うことであり、これが強さでなくて何なのだと思います。無数に感じ方があるということは発想も知恵も無数であり、新しい価値を生み出せる能力を持っているのです。

日本人は自然と一体になることを求めています。自然と寄り添いたいと思う気持ちが「和合」「融合」の価値を生み出しているのです。単体ではなく融合することで価値は増大します。

日本人の強さはインナーマッスル、「深層筋」にあります。これは持久力の強さです。対して欧米人は「表層筋」の強さがありこれは瞬発力です。特性が違うので、持久力と瞬発力を比較しても意味はありません。内筋が強いことは立ち振る舞いに現れます。バランス感覚、乱れない美しさ、表現力などです。日本人は表面的には強さを感じなくても、決して折れない強さを持っているのです。

以上は自己流の解釈ですが、多くの学びを受け取りました。

和歌山県はこれらの優れた精神性を有しているので、環境として「宇宙教育」に最適な県だと考えています。「宇宙と古事記」「科学と歴史」の間に接点があるのです。日本人は過去と現代、技術と精神性を同時に達成できる能力を持ち合わせていると思います。複数のものをつなぐことが「和」であり、対立や征服にはない強さを持つことになります。

僕は1999年に和歌山県で開催した「南紀熊野体験博」で広報の仕事を行いましたが、表面的な観光地である熊野をなぞるのではなく、「神仏習合」「全てのものを受け入れる」「自然と人との調和、そして融合」という精神性を感じながら、熊野の価値を伝えることができました。それは、当時、上野敦子さんから学んだ価値であり、この熊野の価値は後に世界遺産へとつながる世界が認めた価値だったのです。

講演を聞いて、20世紀から21世紀へと変わる時代に必要な価値を思い出していました。まだまだ伝えきれないぐらいの学びを得ることができました。

その他
  • 生活道路ですが、走行する車が安心できないほどのスピードを出している狭隘な道路を調査しました。ここは通学路ですが歩道ははみ出ないと歩けないほどに狭く、車が走ってくると危険性を感じました。道路の安全性を高める必要性を感じたので対応を考えています。
  • 新型コロナウイルス感染症支援制度について見解を伺いました。予算と企画のどちらが大事なのかを考えさせられる事例に対応しています。
  • 障がい者施設の取り組みについて懇談しました。障がい者福祉に基づいた実務や運営の難しさを感じます。