和歌山県消防防災センターを訪れました。山や海などで怪我をして救助を求める方の救出活動を行ってくれています。人知れず県民の皆さんの命を守ってくれているのです。防災ヘリコプター「きしゅう」は15人乗りで、救助に向かう時は6人でチームを編成して現場に向かいます。
山や海の現場の環境の厳しさは理解しているのですが、実際の現場の様子を聞かせてもらうと、命を賭けて使命を果たしていることが分かりました。
現場は真剣勝負の場であり、一度切りのものなので、依頼を受けたからと言っていきなり現場に向かうことはできません。隊員の方々は、毎日、現場状況に即した実践訓練を行っていますし、それをしていなければ現場に行くことはできないのです。毎日の訓練を続けることで厳しい現場に対応できることが分かります。
訓練の様子を見せていただきましたが、現場で作業しているような真剣さと的確さを感じることができるものでした。ヘリコプターの救助活動は、高いところでは高度70メートルにもなり、その視点から下を見ると怖さを感じるほどでした。その高さからワイヤーロープを使って地上に降りるのですから、日常の訓練の賜物だと思います。隊員に聞いたところ「毎回、現場に行くときは緊張します」という答えでした。怖さはないけれど緊張感があることは大事なことです。緊張感をなくすと油断につながりますし、怖さを感じると万全の役割を果たすことはできません。慣れると共に緊張感を持って使命を果たしていることに安心感を覚えました。
そして和歌山県消防防災ヘリコプターの特筆すべきところは、医師の同乗をしていることです。医師がレスキューの現場に赴いてくれることで、命を救うことができます。ドクターヘリと違う役割を果たしてくれているのです。医師が乗ってくれるのは和歌山県と宮崎県だけだと伺いました。和歌山県の先進的な取り組みに敬意を表するものです。
南紀白浜空港の視察に出向きました。南紀白浜空港は紀南地域の拠点ですから、ここから熊野古道や串本町などに向かう玄関口になります。首都圏から70分で白浜町に来ることができるので、伊豆や軽井沢よりも白浜町は移動時間が短いのです。そのため同空港の岡田社長は「新型コロナウイルス感染症の影響を受けていますが、和歌山県にとってチャンスだと思っています」と話してくれました。それは和歌山県がワーケーションの取り組みを行ってきたことに起因しています。県は先見の明のある取り組みをしてきたのです。
現在、南紀白浜空港は和歌山県南紀地方の総合コンシェルジェの役割を果たしてくれています。コロナ禍においても、南紀白浜空港には国内からビジネスジェットが訪れているように、白浜町はオンでもオフでも訪れてもらえる癒しの場所なのです。
ここでビジネスジェットの需要ですが、羽田空港は駐機できる期間は最大5日、関西空港は受け入れることを歓迎していないようなので、この分野で今後、同空港のチャンスがあります。国内外からのビジネスジェットの受け入れ空港としての役割を果たせる空港が南紀白浜空港です。和歌山県はビジネスジェットの聖地を目指して駐機場の整備を行うことにしています。
僕からは串本町での民間ロケット射場との連携について尋ねました。南紀白浜空港の旧滑走路には約4,000台の車を駐車することができます。ロケット発射時の観光客を迎える際には、旧滑走路に駐車して、バスや電車で串本町に向かうような連携を検討しているようです。
南紀白浜空港は南紀の核施設として役割を果たしくれていますし、今後とも大事な拠点になってくれそうです。
クジラの町、太地町を訪ねました。三軒町長と懇談の機会をいただき、町の長期計画を聞かせてもらいました。クジラと共生する町づくりを目指していて、30年先を見据えた取り組みをしています。現在30年計画の16年目を迎えていて、太地漁協の取り組み、JR太地駅前の整備など、順調に計画を進めていると聞きました。現在のクジラ漁を守りながら、将来を見据えた計画を策定して実行している太地町の取り組みを応援しています。町長からは「県、県議会と連携させてもらっていることで町づくりができています」と話してくれました。このように県と町が連携することで町づくりは進展すると思います。
かつて、クジラは食文化、その後は観光資源、今後は世界的な研究拠点にすることを考えています。太地町はクジラと共にある町であることを再認識しました。