和歌山市立加太中学校の全学年の生徒を対象とした「命の授業」が開催されました。講師は絵本作家の夢ら丘さんと吉澤さんの二人です。二人は東京や四国、九州などで授業を行っていますが、本日は授業を行うため和歌山市まできてくれたものです。
受け入れる判断をしてくれたのは加太中学校の神崎校長先生ですが、先生は僕の高校の時の同級生です。同級生だから言うのではありませんが、校舎内には校内活動や外国や地域との交流の記録と写真が多数飾られていて、熱心な学校教育をしている中学校であることを感じられました。中でも昭和30年代の加太中学校卒業生の写真が飾られているのには驚きました。昭和30年代以降平成30年までの卒業生の写真が飾られている学校は初めてです。
校長先生が「写真を見るために卒業生が学校に立ち寄ってくれています。在校生の自分の姿を見ることは懐かしいと思うので、当時の写真をプリントして飾っているのです。このことで、卒業生や地域の人が学校に来てくれるからです」と話してくれました。学校と卒業生、学校と地域のつながりを形にした素晴らしい取り組みだと思います。
そんな素晴らしい受け入れ環境を整えてくれている加太中学校での授業は、取材の記者も多数来てくれるなど関心を示してくれました。生徒は緊張したと思いますが、とても良い授業だったと思います。
夢ら丘さんは絵本「カーくんと森のなかまたち」の読み聞かせの形で授業を進めていきます。そこには仲間の大切さ、自分に自信を持つこと、そこから命の大切さのメッセージを発してくれています。またいじめは人を追い込む卑劣な行為であり、いじめをしている人が分かっているのに知らないふりをすることもいじめを助長させるものであり、やってはいけない行為だと話してくれました。
講師自身も、小学校時代、喘息を患って学校を休むことがあったようですが、その時同級生から「学校をさぼっている」と噂されたことから、休み始めた時期があったことを話してくれました。その時、担任の先生が理解者だったことから不登校にならずに済んだので、悩んだ時は担任の先生、友人、家庭などで相談することで気持ちを整理することを薦めてくれました。
批判や悪口、その人の噂話などは、本人の気持ちを無視したものであり追い込むことになります。悪口や噂話などで人を追い込む人は卑劣な行為ですから、生徒達には「そんな行為はしないように。やっている人がいれば注意を促すことや先生に相談すること」を伝えてくれました。
最近のいじめは、SNSで悪口や噂話を本人が知らない間に発信して、噂を広めてしまうことが多いのです。覚えのない本人は周囲の人に不信感を抱きますし、精神的に追い込まれることになります。
絵本「カーくんと森のなかまたち」はカラスの「カーくん」が森の仲間から噂されたことから思い悩みます。「自分は生きている価値がない存在」だとか「仲間のことを信じられない」ようになっていきます。
しかし「カーくん」の良いところを伝えてくれる仲間がいたのです。良いところを伝えてくれる仲間の励ましと言葉によって「カーくん」は自信を取り戻していくのです。
自分は不必要な存在ではなくて役割があると思い直し、また噂話といじめを遠ざけるようにします。「カーくんと森のなかまたち」は森という社会の構成員として、悪口や噂話を避け、いじめをなくすように持っていくのです。心が変わると新しい森が誕生することになります。
授業を見ていると、子ども達に「いじめはやってはいけないこと」だとの講師の思いは伝わったと思います。
いじめは人を追い込む行為であり、引きこもりや自殺への階段になるのです。授業を通じて生徒達はそのことを学び、気づいてくれたと思います。大人にとっても命の大切さが理解できるものであり、人を嫌な気持ちにさせる、そして精神的に追い込む悪口や噂話は卑劣な行為だと気づかせてくれるものでした。
企業誘致は難しい取り組みです。新型コロナウイルス感染症によって社会のあり方が変わりつつあり、和歌山県にも企業立地や移転の案件があります。しかし実現するのはほんの一握りに過ぎません。そこには情報と熱意、そして要望を聞き入れることやインフラ整備と特典付与などの環境整備が必要です。
以前、一緒に仕事をしたことのある方が、企業誘致の会議のため大阪市から和歌山市まで来てくれました。ですから今日の会議を楽しみに待っていました。と言うのも、この方は半沢直樹のような熱血漢だからです。正しいことは正しいと言い、汗と涙で相手に向かっていく人なのです。
しかも勉強熱心で現場主義、書類だけ判断するなどの仕事をしていない人だと分かります。約1時間30分の会議は「直ぐに終了してしまった」と思うほどでした。
企業誘致は、その成果がでるかどうかはやってみないと分かりません。やる前から「無理だ」とか「難しいのでは」「相手が分からないから」などの理由を見つけて、仕事を進めない人がありますが、それでは何年経っても実現することはありません。やれるかどうか確かめてみる。やれる可能性があればやってみることが道を切り拓きます。
もちろん、やるために全て条件はありますが、その前提条件はお互いに理解し合っていることは話と呼吸で分かるものでした。波長が合い前向きに進む議論と会議は楽しいものであり、結論を導くまでの仕事もワクワクするものです。
今日の会議の結果を踏まえての、次回の会議開催を楽しみにしています。