委員会冒頭、商工観光労働部長から「新型コロナウイルスの感染拡大により、甚大な影響を受けた県経済は、依然として厳しい状況にあります」と説明がありました。そこで経済指標について質問を行いました。 僕からの質問は次の通りです。
Q.先ほど部長から、新型コロナウイルスの感染拡大により、甚大な影響を受けた県経済は依然として厳しい状況にありますと説明してくれました。令和2年7月の「和歌山県経済指標」から見ても厳しい状況が確認できます。
例えば個人消費はマイナス2パーセント、新車登録台数はマイナス16.1パーセント、新設住宅着工戸数はマイナス17.2パーセント、鉱工業生産指数は前月からマイナス3.1ポイント、有効求人倍率は前月と同じ1.0倍となっています。どの業種においても、軒並み厳しい経済状況にあることが分かります。そこで県経済の状況について、今後の県の対策についてお尋ねいたします。
A.大山商工観光労働部長
県経済の状況だが、5月は特に観光業界が壊滅的で、前年と比較して売上が50%以上減少した観光業者が98%であり、ほぼ100%に近いという状況であった。そこで、県では4月及び5月の臨時会、6月定例会で審議してもらい、各支援策を実施してきた。その実績として、制度融資に関しては現在の融資額が約990億円であり、事業継続支援金に関しては45億円以上の申請を受け付けている。
県としては、このような支援策を活用してもらいながら県内事業者を支えてきたところである。事業者も自助努力を行い、感染症拡大防止ガイドラインを守って営業する等の取組をしたおかげで若干改善してきてはいるが、依然として厳しい状況には違いない。
我々としては、こういった支援を今後もずっと続けていきたい。国の方にも様々な支援策があるので、国と県の支援策を総動員して対応していきたいと考えている。支援策を必要としている方にしっかりと届けるために、県の産業別担当者等の様々なツールを通じて周知を行い、活用してもらいたいと考えている。
質問の参考値として、和歌山社会経済研究所の「和歌山県経済指標」の令和2年7月の経済実績報告を記します。
- 個人消費面では「百貨店・スーパー販売額」は対前年比マイナス2.0パーセントとなっています。百貨店の売上高は前年比6.2パーセントの減ですが、客数は前年比16.1パーセント減と6月の同14.6パーセント減を上回っています。スーパー販売額については、感染予防の観点から内食需要が高く、前年を上回る売上高となっています。
- 新車登録台数は、対前年比16.1パーセント減となり、10か月連続で前年を下回っています。
- 新設住宅着工戸数は、対前年比17.2パーセント減と3か月連続で前年を下回っています。「持家」、「分譲住宅」については対前年比マイナス27.3パーセント、同マイナス21.2パーセントと大きく減少しています。
- 令和2年6月の鉱工業生産指数は、前月から3.1ポイント下がり2013年以降としては過去最低値になっています。県内の鉄鋼業、機械工業、石油・石炭製品工業において生産活動が低迷しているようです。
- 公共工事請負金額は、前年比12.0パーセント増となり、11か月連続で前年を上回っています。下津港や日高港における大型工事や和歌山市中央卸売市場関連の大型工事などが主なもので、県内公共工事請負金額は2018年度以降、増加傾向を維持しているようです。
- 有効求人倍率は前月と同じ1.0倍。有効求人数、有効求職者数ともに増加しています。有効求人数には下げ止まりの兆しも見られるが、依然として有効求職者数の増加傾向は続いているようで、4年2か月ぶりの水準まで増加しています。
また、雇用保険受給者実人員は前年比13.7パーセントの増加となっているように雇用情勢は厳しさがあります。
これらの経済指標から、新型コロナウイルス感染症の影響により民間需要が低迷、雇用も不安定であることが分かります。ここには表れていませんが、飲食業、観光業を始めとするサービス業の仕事の厳しさは変わらず、関係者に話を聞いても、現場で空気を感じても、年末にかけて回復の兆しが感じられないように思います。
しかし、「わかやまリフレッシュプラン」による観光や飲食は好評を得ていますし、「Go To トラベル」を活用した旅行客も多数和歌山県を訪れてくれていると聞いています。あるホテル総支配人の話では、「和歌山県、国のキャンペーンのお陰で、お客さんからご予約をいただいております。客室は満員ですし、秋以降も予約のお客さまで埋まっています。和歌山県と国の支援策はありがたいです」ということでした。
但し本格的な回復のためには、和歌山県を始めとする地方都市は、公共事業が地域経済を引っ張っているのでこの投資額が重要です。民間投資が少なく公共投資が地域経済を支えている状況からみると、更にこの公共投資を続けることが域内経済の回復への道だと考えています。
そのため来年度の予算編成がとても重要になっていることを認識しています。
その他の令和3年度の主な施策として、南紀白浜空港国際線ターミナルの完成、串本の民間ロケット射場の完成、統合型リゾートへの応募などがあります。公共事業と共に事業化後の投資が見込まれる案件なので、域内経済を上向かせるための事業化と共に、将来の周辺産業の誘致について考える必要があります。事業化した後に観光振興へとつなげ、関連した教育や関連産業の誘致、そして研究所や学校の誘致などへ広げていくことが今後の政策となります。
- 会議のため、広島県などから和歌山県まで来てくれました。県内にいては分からない経済の取り組みなどを聞かせてもらいながら議論を交わしました。「和歌山県は新型コロナウイルス感染症の発生が少ないですね」と質問があったので、和歌山県の感染症対策について説明を行いました。この和歌山県の取り組みによって評判が高まっていることは嬉しいことです。
- 和歌山県の名産を県庁に届けてくれました。県庁に来た際に立ち寄ってくれて紹介してくれたことに感謝しています。
- 企業誘致の現状の打ち合わせを行いました。経済環境が厳しい中ですが、アフターコロナに向けた動きがあります。好機を逃さないで誘致活動を行っています。