活動報告・レポート
2020年9月14日(月)
捨て猫の問題
捨て猫の問題

最近、捨て猫が増えていると報告を受けています。新型コロナウイルス感染症で経済的な影響を受けた家庭なのか、捨て猫が繁殖しているのか原因は分かりませんが、和歌山市内で増えているように聞いています。鳴き声や排せつ物の問題から苦情が発生している自治会長が対応に苦慮して相談を受けています。

捨て猫をそのままにしておけないので、自治会長宅で保護して飼育してくれているのです。そのお陰で当該自治会の苦情はなくなっていました。ところがまた捨て猫が発生したので、地域の方々が自治会長に苦情を申し出たのです。自治会長に「鳴き声がうるさい」「排泄物で家の庭が汚れる」「何とか処理して」など捨て猫に関する文句を言い続けるので、さすがに会長も答えたのです。「自治会長をしているから最近、捨て猫を三匹、保護したばかりです。飼ってくれる人を一人見つけたので一匹減りましたが、まだ二匹家にいます。この二匹の世話をしているのは私です。保護してくれる施設はないし、譲渡先を探すのも大変です。もちろんエサをあげること、排せつ物の処理など、自分の時間とお金を使っています。これも地域の皆さんのためだと思っているからです」と伝えました。それでも「残りの一匹も早く対応して」と苦情を言い続けるのでたまらず「文句を言うだけで自分は動かない、世話をしてくれている人への感謝の気持ちがない、お金も使わない。そんな人は文句を言えないと思います」と伝えたそうです。

捨て猫を保護した場合、動物愛護センターも愛護団体も引き取ってくれません。譲渡するにも飼ってくれる人を探すのが大変です。正式には、捨て猫は拾得物になるので警察に届けることが正規の方法だと聞きました。どの対応をしたとしても、捨て猫を引き取ってくれることはできないのです。

それでは保護した人ができる対応はと言うと、捨て猫の避妊か去勢をしてからリリースすることだけです。一代猫にしてからリリースすることが、和歌山県において保護した人ができる方法です。避妊や去勢手術は保護した人の費用負担になりますから、費用負担をしてリリースすることが動物の命を守ること、そして不幸な猫をなくす唯一の方法なのです。

ペットなどの動物の殺処分ゼロを目指すことを掲げても、和歌山県では対応できていない現状があります。捨て猫を保護した人に手術費用の負担をさせることや、動物の命の重さに悩ませること、近隣の苦情に対応することなどのしわ寄せがいっているのです。

文句を言うだけで行動しない人が、捨て猫を保護した人を追い詰めている現実があります。これでは捨て猫は減ることはありません。

そのため「和歌山県が不幸な猫を減らすこと。殺処分ゼロを目指すのであれば、保護した人に対して避妊や去勢の費用を負担する施策を実現すること。そして譲渡会に参加するための予防注射の費用負担も実現して欲しい」という強い要望をいただきました。

地域における捨て猫の扱いを自治会長などに負担させることは、行政として取るべき態度ではないということです。和歌山県では動物愛護センターや地域猫などの取り組みを行っていますが、「それは自治会長など捨て猫を保護した人の負担を取り除くことになっていないと思います。保護した捨て猫を引き取ってくれるか、保護した人への避妊や去勢、予防接種の費用負担をすることが行政の役割だと思います」ということです。捨て猫の問題は、行政で取り組むべき課題だと考えているので、継続した取り組みにつなげていきます。

ペットとの避難

災害が発生した時に「私にとって猫は家族ですから、絶対に置いて逃げることはできません。避難所にペットの猫は入れないのですか。それでは逃げることはできません。家族ですから、避難所で一緒にいられるような環境を整備して欲しいと思います」というと言う意見を伺いました。

ペットは家族という話を聞く機会は多くなっています。同行避難のあり方について考える機会が増えてきそうに思います。