一年に一度の健康診断を受診しました。結果はまだ分かりませんが、身長や体重共に大きな変動はなく、受診科目を全て受けてきました。健康維持と管理に割いている時間は少ないのですが、この時ばかりは健康に対して真剣になります。「何もありませんように」という思いで受診しています。
和歌山県内から講師の依頼を受けている福祉施設の事務長と話をする機会がありました。
「今年の後半は講演会の講師を引き受けています」と話してくれたので、僕は「これだけたくさんの講師を受けるのですか。仕事もあるから大変でしょうが、頑張って下さいね」と答えました。
事務長から次のような話をいただきました。
「私はこの施設にお世話になった最初の頃、これまでの経験を生かして講演会の講師の依頼をいただくことがありました。その時は仕事が忙しかったこと、お世話になっている理事長に迷惑をかけないようにと思って県からの講師依頼を断ったことがありました」
その後、理事長がある会合の場で県の方と会ったのです。その時、県の方が「理事長、お宅の事務長に講師をお願いしたのですが、『仕事があるので』と断られました。仕事が忙しいのは良いことです」と笑顔で話があったのです。県の職員さんに悪気がなかったことは言うまでもありません。
施設に戻った理事長が事務長を呼びました。「事務長、県から講演依頼を断ったそうですね」と尋ねました。事務長は「仕事が優先ですから、時間が確保できないので断りました」と答えたのです。
そうしたところ理事長は「仕事は大事ですからね、ありがとうございます。でも事務長さん、こう考えて下さい。県の方から講師の依頼があったのはあなたに対してですよね。つまり、あなたに講師を引き受けてもらいたいと思って依頼があったのです。その講演会の講師が務まるのはあなただということです。あなたの他に講師ができる人がいないから依頼をしてくれたのですから、私にとってもとても光栄なことです。
仕事は段取りさえしておけば他の人ができます。しかし講師は他の人ではできないのですよ。
事務長が断ったから他の人に講師依頼をしたと思いますが、本当はあなたにしてもらいたかったと思います。だから次から講師の依頼があれば忙しいとしても引き受けて下さい」と話したそうです。
この話を聞いた事務長は「『何と素晴らしい理事長なんだろう。理事長のために仕事をするのは当然だけれど、もっと施設に役立つことを考えよう』と思い、自分にできることで引き受けて施設のためになるものはやることに決めました。だから県を始めとする外部からの講師依頼は全て引き受けています」と話してくれました。
事務長の考え方は凄いと思いますし、理事長が施設の仕事よりも社会に役立つことを優先する考え方も凄いと思います。社会を考える、大きな考え方の経営者です。
あれから何年も経過して、その頃よりも何倍も経験が豊かになっている事務長ですが、行動基準や考え方は「その時と同じです」ということです。事務長の話を聞いて、初心を忘れないこと。師と思う人の理念を忘れていないこと、そして施設の文化として継承していることは素晴らしいことだと思いました。
今日も人と会って教訓を得ることができました。有り難いことだと感謝しています。仕事の合間の時間を割いて、自らの経験から学んだことを伝えてくれたのですから。
人はどんな人に対しても大切な自らが得た経験を伝えることはしませんが、自分の経験を伝えたくなるタイプの人があります。事務長が得たものを伝えたくなる人として思ってくれていることは嬉しいことです。
講師の依頼があることは「あなたにお願いしたい」という意思表示なので有り難いことなのです。この話を聞いた途端、10月に講師の依頼をいただきました。もちろん「よろこんでお引き受けします」と答えたのは言うまでもありません。
- 防犯対策に関して話を行いました。地域の防犯に役立つことを理解してくれた方が、周囲の方にも伝えてくれたので、来週、再度説明をすることになりました。地域防犯活動が広がることを期待しています。
- 社会に役立つ研究を行い、実用化を目指している方と話を行いました。社会に役立つものであれば世に出る資格がありますが、高いハードルがあります。支援者、資金、そして時の運です。
先のことは分かりませんが、この取り組みを応援したいと思います。 - 新型コロナウイルス感染症対策について協議を行いました。検温や消毒など基本の徹底が大事なので、継続して伝えることにしています。