宮崎県で開催予定の「国文祭・芸文祭みやざき2020」は、令和3年7月3日から10月17日までの107日間に変更されています。テーマは「山の幸 海の幸 いざ神話の源流へ」で、同県では初めての開催となります。
宮崎県の国民文化祭が令和3年に延期になったことで、令和3年10月30日から11月21日まで開催予定の和歌山県のそれは連続する形になります。一年の間に二か所で国民文化祭を開催するのは全国で初のことであり、宮崎県から和歌山県がバトンを受ける形になります。これはご縁を感じるものです。
宮崎県は「神話の源流へ」テーマにしていますし、その神話のバトンを受け継いでいるのが和歌山県だからです、「わかやま記紀の旅」に基づいて縁のある地を訪ねてきましたが、和歌山県は宮崎県と並び、記紀の足跡を感じられる県なのです。奈良を含めて、他に「記紀の足跡」を訪ねることができる県はなく、わが国の歴史を語れる貴重な観光資源ですから、「記紀の旅」と文化祭を共に成功させたいと思います。
ただ「記紀の旅」は大型バスで乗り付けるような観光地ではなく、地元の人が志を受け継いでいる観光地であり、令和の時代にあって護り、この形で次の時代に引き継ぐべき観光地だと思います。「わかやま記紀の旅」を更に充実させること、掲載されていない神社などを追記して「わかやま記紀の旅」を完成形に近づけて欲しいと思います。
例えば太刀ケ谷神社は白浜町の無形文化財に指定されていますが、神社を維持管理しているのは地元の皆さんだけであり、高齢化と共に祭りや管理をすることが困難になっているようです。姿形が失われると共に、語り継ぐ人がいなくなると記録に乏しい資源であれば歴史は消えてしまいます。日本書紀編纂1300年、そして「わかやま記紀の旅」を発刊したこの時期に、わが県の歴史の跡、そして今から作ることのできない大切な観光地として残すべきだと思います。
太刀ケ谷神社を護る人からは、2680年間、神武天皇をお迎えしてその志を感じ、太刀を受け取ってお祀りしたその精神を、今に受け継いでいると聞きました。この精神は決してこの時代に消してはならないものだと思います。
無形文化財を無形のものにしてはなりませんから、「わかやま記紀の旅」に掲載することや、和歌山県として保存を支援することなど、この次の時代に残すための取り組みが必要です。和歌山県の観光地の魅力の一つに「厳かな存在」「控え目な存在」があります。太刀ケ谷神社の祭りは「神武天皇の出立」が起源ですから、派手なことはしないでひっそりとお祝いする祭りです。
竈山神社の雄誥祭も派手なことはしないで「ひっそり」とです。これは彦五瀬命の命日を祀るものであり、日本の国づくりの礎を支えた彦五瀬命の思いを、今に伝えているからでもあります。
祀りごとを観光にするには、この精神を理解してもらうことが大事だと思います。「記紀」に縁のある神社を尋ねると「控え目で厳か」な和歌山県民性が現れているように感じます。
改めて「和歌山県の歴史と、ここで継承されているものは凄い」と思います。文化と伝統を継承することが大事だと感じています。
障がい者の就労支援や居住施設について意見交換を行いました。大阪府下では障がい者の方々が働くレストランや大学内の食堂があります。和歌山県内での事例を僕は知らないのですが、このような働く環境があれば「良い」と思っています。幸い和歌山市内でも食材を加工する施設とカフェができる見通しができたので、障がい者の方々の雇用機会ができることを楽しみにしています。この取り組みから障がい者福祉についての意見交換を行いました。両親が安心できる働ける環境と居住施設が増えれば、障がい者の働き甲斐や生き甲斐につながると思います。関係者の協力をいただきながら取り組みを進めたいと考えています。