活動報告・レポート
2020年8月10日(祝・月)
インフラに関するご意見
インフラに関するご意見

ご意見をいただきました。7月16日に掲載した「歩行領域EV」を読んだ感想と意見です。皆さんからの前向きで改善のやり甲斐がある意見は大歓迎です。

以前、ネット記事か何かで見て、「将来、面白いほど高齢化社会に活用される商品だな」と思ったことを思い出しました。その商品の試乗箇所が、全国で名古屋市と和歌山市の二箇所のみとは驚きました。その理由はわかりませんが、二箇所の試乗先に和歌山市が選ばれたのは凄いことです。歩道を「歩行領域EV」が走行できるのは、老人、障害をお持ちの方にとって、とても有難いことと思います。

しかし、その歩道ですが、現実は段差が至る所にあり、直線の歩道というところの方が少ないのです。国体道路を一度、歩いてみて下さい。歩道は斜めになっており、段差が激しく健常者でも歩き辛い状況です。「一定の市内の中央地帯なら大丈夫か」と思いましたが、市内中央も難しくて、中央から離れれば離れるほど、人の歩く道や歩道は不完全な道です。

車社会になって、日常の移動がほとんど車の人にはわからないと思います。たとえ、免許がいらず、利便性の優れた良いものがあっても和歌山県のインフラの質が低いため、まずインフラ(道路・歩道整備)を整えないと「歩行領域EV」は宝の持ち腐れになってしまいます。

白浜町で活用するのは最高にいいアイデアですが、ここも道路(歩道)環境が悪い所です。

これは角度を変えてみると、災害が発生した場合、走って逃げるにはとても危険ということです。避難場所に着くまでに何回躓き、こけるかわかりません。いざという時に、道路が整っていなければ満足に避難することができないという基礎的な考えが当県、当県民の思考にありません。

話を戻して。せっかく、すばらしい未来の便利な道具になってくれそうな商品「歩行領域EV」をご紹介して下さったのに、ケチをつけるつもりはまったくありませんが、現実は上記に記したことにぶつかると拝察します。

いい商品を生活に取り入れる以前に、対処すべき課題はインフラを見直すことだと思います。

いわゆる福祉を活かす前にインフラを見直さなければ、命の危険につながるということです。

豪雨が降って、全国各地で何十、何百の人が被害に遭うのは、こうしたインフラの基礎が疎かになったまま、テレビやインターネットの普及による小手先の便利、便利、便利、ばかりを受け入れて、生活の基盤(インフラ)というもののありようを錯覚していたからだと思います。

商品(モノ)はあくまでも点です。生活の基盤(インフラ)という大動脈、つまり線が流れなくなっていることが平和ボケで目に見えてなくなっていることに、そろそろ気づくべきです。

インフラという線がゆがんでいたり、切れたりしているから、予想の付かないできごとが起ると、その歪みが大きくなり、いわゆる「想定外」という悲惨なことになるのです。

大きな「事」が起きない間に、あらゆるインフラを見直さないと、自然災害は人災になります。

それが、最近の豪雨による被害です。最近の豪雨などによる災害といわれている正体は、すべて人災だと思います。

河川の整備もインフラです。県内の河川でインフラが整っているところはありますか?何らかの災害が起こると、県内至る所で通信も遮断され産業も稼働しなくなります。

他県の被害の原因、インフラ環境を精査すると、インフラの不備をそのままにしていたという人災であることがわかるはずです。これまでの当県の雨や地震での被害の原因も、インフラ不備にあります。

「歩行領域EV」のことから、ずいぶんジャンルの違う話になってまったようですが、つながっているのです。インフラを見直す、不備を整えるヒントを有難うございました。

ご意見、ありがとうございます。良い意見なのでここに紹介させていただきました。

僕も試乗会の時、トヨタさんに同様の意見を伝えています。

和歌山県、和歌山市を試乗箇所として選んでくれたことに感謝します。和歌山県でこのような「歩行領域EV」が走行できることになれば、誰にとっても優しくて住みやすいまちになれます。

そこで道路行政の課題を伝えます。和歌山県内の歩道の整備が進んでいないことが課題です。昭和の時代の歩道はかまぼこ型で凸凹の段差が激しく、高齢者や小さなお子さんが歩くことに適していません。また車道の脇に申し訳ないように白線が引かれている歩道(歩道に見えにくい箇所もあります)も交通量が多いところは危険な場所になっています。

まずは歩道、道路の整備から始めることが「歩行領域EV」を普及するための条件です。これはメーカーではなく、道路行政を担当する地方自治体のやるべき仕事です。数年かけてもやり遂げるべきものだと認識しています。トヨタさんに「和歌山県の道路、歩道環境は安全で素晴らしいので和歌山県から始めましょう」と言ってもらえることを目指したいと思います。

まずは南紀白浜空港から観光地のホテルやICTオフィスまでの移動距離が短い、白浜町が適していると思います。歩道整備の区間も短くて済みますし、観光地なので安全対策、防災面での取り組みも実施すべき地域なので、是非とも「歩行領域EV」の試験的取り組みの候補地にして欲しいと思います。

安全な社会、人に優しい街、そして防災面でも優れている県になるためには、歩道整備、道路整備が欠かせないと考えています。