eSportsについて話を聞かせてもらいました。わが国でeSports元年とされているのが2018年のことだそうです。この時の市場規模は約40億円とされています。翌2019年は約70億円と規模が拡大しています。この数字は既存のゲーム市場は除外したもので、純粋にeSportsの市場を示しています。
そして「一般社団法人日本eスポーツ連合」では、今から5年後の2025年の市場規模を約3,000億円と算出し、これを目指しているようです。
簡単にゲームとeSportsの違いを説明してもらいました。
ゲームとは一人で楽しむものであり娯楽です。これに対してeSportsは他の競技選手と対戦するものであり、技術の向上を目指すものです。野球に例えると、自己流である程度のレベルを目指して練習をしているのがゲーム。専門家やコーチに指導してもらって、プロレベルの高い技術を身に着けようとするのがeSportsだそうです。
つまりeSportsは社会人として成長を促す手段になるもので、社会性を身に付けることを目指しています。そのためエンターテイメントだけではなく、技術を高めていくための教育、競技参加を目指すことから地域活性化などの効果が期待できるものです。多くの人が想像するようにエンターテイメント性を持つ娯楽ではないのです。
既に専門学校の中には、eSportsを学習科目として取り上げようとしているところもありますし、高校や大学ではサークルとして活動しているところもあります。全国大では「全日本eスポーツ学生選手権大会」や「全国高校eスポーツ選手権」などが開催されているように、学生の間では競技選手も登場しているようです。和歌山県内の高校でeSportsクラブがあるのは貴志川高校と田辺高校だと聞きましたが、高校のクラブとして活動している高校もあることを知りました。
そして現在、日本にプロ選手は約200人いるそうで、意外と多いと感じましたが、世界と比較すると桁違いだそうです。これは市場規模や賞金額が違うためであり、これから日本も先進国並みを目指すことになっていくと説明してくれました。
和歌山県でも競技人口が増加していることから、いきなり先進県までとはいきませんが、関係者から「大会を誘致できるぐらいを目指したい」という話を聞かせてもらいました。全国大会やアジア大会などが和歌山県で開催されることになれば、人が動きますし経済効果も期待できます。
これらの大きな大会は人が集まって開催する方が盛り上がりや経済効果が生まれるので望ましいのですが、eSportsの大きな特長として、対戦者が会わなくても競技が可能なところがあげられます。非接触型の社会においても競技が可能なeSportsは、新たな社会に通用するものと思います。
説明を聞いて感じたことは、競技を通じて人を成長させるものだということ。競技に参加するまでには教育を受けること、技術を高めるためにコーチなどの指導を受けることが必要であり、そこから社会性を高められるものだということです。私の年代だとeSportsのイメージが湧かないのでその特長を直ちに捉えることは難しいのですが、説明を聞いて少しイメージが分かりました。
僕からは、実際に競技しているところを見せて欲しいこと。大会に参加した選手の話を聞かせて欲しいことなどを要望しました。競技選手が対戦している場面を見れば、更にイメージを捉えられると思います。そのためには専門学校での教育、指導者と選手を育成できる体制を整えることなどが必要だと考えます。
これからさらに普及してくると思われるeSportsの分野において、和歌山県が後れを取らないように調査は進めたいと考えています。