新聞記者でどのように取り上げると「読者に役立つ情報になるのか」「地域の活性化に役立っているかが分かるのか」など考えて取材している人がいます。一つの記事を違う角度から、そして取材対象の方を光らせるように考えてインタビューや写真撮影をしている姿は特筆ものです。
「和歌山県をもっと知ってもらいたい、好きになってもらいたい」「頑張っている人にスポットを当てたい」など話してくれているように、和歌山県の人が大好きなことが分かります。
例えば、ある取材をしている時、記事の主役になる人と共に、支えている人のことをさりげなく取り上げていますし、他と同じような内容では読者の興味をひかないので、ここに至る経緯や、光りをはなつ一言を引き出すようにしているように感じます。
記事を書けばよいのではなくて、読者に読んでもらいたいことを記事にすることを心掛けているようです。もちろん、取材した全てが記事になるわけではありません。多くの取材の中で掲載される記事は限られていますが、その記事に命を吹き込んでいることは読むと分かります。
感想文でもレポートでも、議事録でも、書く人によって内容は異なるものになります。どこに注目しているのか、何を訴えるのかなどによって、内容は違ってくるのは当然のことですから、書く人の力量によって読む人の反応や関心の度合いは違いますし、レポートであればその後動きが違ってきます。
地方都市の出来事の場合、できることなら、地域の人の励みになる記事であって欲しいと思いますが、和歌山県でもそんな記事がたくさん生まれていることを嬉しく拝見しています。
宮崎県は「みやざき中央新聞」という地方紙があります。この新聞社の方針は、「良い情報だけを発信する新聞にしたい」というもので、読む人に感動を与えています。これまでの感動記事は、本として出版されているので読むことができます。僕も読んでいますが、良い記事は読んでいて明るくなりますし、人の優しい心と行動に感動するものです。
以前、この方に対して「みやざき中央新聞のような記事を書いてくれると、和歌山県は今よりもっと良くなりますよ」と伝えたことがありますが、人と地域の優しさを感じる記事を書いてくれています。
こんな記事が誕生しているのは、現場を歩いていることと人に会っているからだと思います。
いつも現場を歩いていますし、元気な人を見つけては取材しています。そして人と人をつなげようとしているのです。元気な人と人をつなげると、そこから新しく生まれるものがあります。この記者は、きっとその「新しく生まれたもの」を記事にしていると思います。だから記事は新鮮で、これまでとちょっと違った内容になっているのです。
今の少しの違いは、やがて大きな違いに発展していくと思っています。小さな違いを見つけること、もし見つけられなければ違いを気づかせるように導くことで、記事を光らせているのです。
一度、記事になればその違いが分かりますから、記事掲載された人は「私達はこんな凄いことをしているんだ」と思うことになります。それは新聞記事という信頼に基づいた活字には、大きな力があるからです。掲載記事は信頼の証であり、記事掲載された人にとって自分をPRする武器になるものです。
良い記事は人や地域に活気を与え動かす力になります。それが地域を発展させる力へとつながります。これからも人が主役の観点で地道に活動している人を取り上げ、地域の良い情報を広めて欲しいと願っています。
- お世話になっている運送会社の会長がお亡くなりになり、お参りしてきました。心からお悔やみ申し上げます。