活動報告・レポート
2020年7月30日(木)
防災の話し合い
防災の話し合い

社会は答えがないので、常に答えを考える必要があります。もっとも答えが見つかったとしても、その答えは松竹梅のどのレベルの答えなのかわからないので、答えを導きだしたとしても考えることを止めてはいけないのです。社会においては、いま正しい答えがあったとしても、未来においても正しい答えはないので考え続けることが大切です。

同じように過去の判断を現代のものさしで評価して「あの時の判断は間違いだった」と否定することは正しいことではありません。その時の社会の価値、置かれた状況、議論の経緯によって、その時の責任者が導いた答えですから否定はできません。そこから学ぶためには全てを否定するのではなく、状況を把握してどうすべきだったのかの検証をすべきだと思います。

どのような判断であっても、当時の責任者が集まって情報を集め、必要な議論をしてやるべきことを判断したはずです。その結果、正解だったか不正解だったかの答えが出ています。後から導かれた結果を「あれこれ」言うことは簡単ですから、どんな見解もつけることができます、しかし当事者にとっては進行形の時間の中にいたため、発生している事態を鳥瞰できたわけではないのです。当事者として見るのと、鳥瞰して見るのとでは、見え方が違いますから、第三者が「その判断は誤りだった」言うことは簡単ですが、その時、十分な議論を交わして判断したことを否定することはよくないのです。

また判断をするためにはより多くの情報を集める必要があります。少ない情報を基にして判断するのと、より多くの情報を基にして判断するのとでは、判断基準が違ってきます。

より多くの情報を集めるためには、自分の周囲の人が鍵となります。人とのつきあいを耕している人は、大事な情報を得ることができます。つきあいを耕していない人は細い情報だけが入ってきます。だから日頃からの人とのつきあいは大事で、どれだけできているかによって判断が違ってくるのです。

もうひとつ。情報を集めても判断できなければ意味はありません。情報を集めるのは判断するためだからです。そして判断した後は行動に移すことが大事です。行動できなければ判断も、情報収集も無駄になってしまいます。だから100のことをやると判断したけれど、結局やらなかった場合の結果はゼロです。しかし1の判断を行って行動を起こして1の結果を得られたとします。結果を比較するとゼロとイチですから、イチの判断を下した方がより良い判断と行動だったとなります。

そして現代社会において考えるべきことは「人と地球、未来への影響」がどうなのかです。人間だけが良かったとしてもダメですし、未来が明るい見通しでなかったとしてもダメです。人間にとっても、地球にとっても未来の人間と地球にとっても、良いものでなければいけないのです。判断することは難しいことですが、責任者には判断と覚悟をもってほしいと思います。覚悟があれば今と未来に責任をもてる判断をすることができると思います。

そして防災で大事なことは指揮命令系統を確立しておくことです。指揮命令系統がなければ、責任者から担当者に判断したことが行き渡りません。逆に現場の声が責任者まで届きません。結果として責任者は誤った判断をすることになりますし、判断しても組織に浸透することはありせん。危機管理体制に欠ける組織は、指揮命令系統が確立できていないことを指します。組織として最も意識しておくべきことです。

このような考え方を共通認識としてもちながら、防災体制、そして災害への備えを行いたいと思います。最後に「このような企画を持ってきてくれてありがとう」の言葉をいただきました。和歌山県の防災にとってよい取り組みになることを考えています。

その他
  • 和歌山市内の建築物の現場調査を行いました。新型コロナウイルス感染症の発生が長引いているため、活用計画は再検討となっていますが、有効活用となるようにすることを話し合いました。
  • 仕事のあり方に関して話し合いました。「仕事には、心のある仕事と心のない仕事のやり方があります。相手がどちらを基に仕事をしているのかは接していると分かります。できるなら、心ある人と一緒に仕事をしたいと思います」と話してくれました。事例に基づいての話だったので訴える力がありました。