活動報告・レポート
2020年7月24日(祝・金)
岩手県と和歌山県
岩手県と和歌山県

息子さんが岩手県に就職しているお母さんが訪ねてくれました。依頼があった案件のことに関して、ご丁寧にお礼の挨拶に来てくれたのです。その時に「子どもが岩手県で暮らしていて、息子から『岩手県で新型コロナウイルスの第一号になったら嫌だな』と電話がありました。ところで何故、岩手県で発生していないのか不思議です」と意見がありました。

そこで僕は次のように答えました。

岩手県は感染者ゼロが続いていますよね。本当に奇跡のような凄い県です。その本当の要因は分かりませんが考えられることがあります。岩手県の偉人の存在と達増拓也知事のことです。

岩手県出身で有名な人がいます。5千円札と「武士道」で有名な、新渡戸稲造氏が岩手県出身なんですよ。新渡戸さんの功績は知られていないのですが、教育者であり、農学者でもありました。経歴で注目したいことは、当時アメリカに私費留学していることです。行き先はジョンズ・ホプキンス大学だということです。この大学は新型コロナウイルス感染症に関する統計や見通しなどを発表して日本でも知られています。

同大学は世界最古の公衆衛生大学院を有していて、医学・公衆衛生学の分野ではU.S.Newsのランキングで医学大学院は常に全米1位か2位。公衆衛生大学院は格付けが開始されてから一度も陥落することなく全米1位を保っているのです。

つまり新渡戸氏は公衆衛生のアメリカ一の大学に留学していたことに注目です。ここで学んだことが、後に台湾総督府の技師に任命され、同国で臨時台湾糖務局長として、台湾における糖業発展の基礎を築くことに貢献したことへとつながっていると思います。

そして故郷は岩手県ですから、同県では故郷の偉人の経験と学びを取り入れた文化性があると思いますし、その中で公衆衛生の視点に基づいての街づくりをしてきたのは当然のことだと思います。文化性の高い県であれば、故郷の偉人を称え、その功績に学んでいることは当然のことだからです。

そして現在の達増知事です。偶然かもしれませんが、知事もジョンズ・ホプキンス大学国際研究高等大学院を修了しているのです。これも当然のことかもしれませんが、尊敬する人物は新渡戸稲造氏だそうです。

故郷の偉人を尊敬し、公衆衛生のアメリカ一の大学を修了していることが、現在の岩手県政にも生かされていると思います。

岩手県知事はインタビューで次のようなコメントを発しています。

「何よりも大事なことは、『命と健康を守ること』です。基本的な感染対策を怠らず、人と会う時、人の中に入っていく時に手を洗う。睡眠不足、栄養不足にならないように、睡眠時間はきちんととるようにし、食事も規則正しく、栄養をとるように心がけています。
基本的なことが効いてくるんだなと実感しています。コロナ対策では、オール岩手で取り組みを着実に重ねていきたいですね」というコメントを出しています。

感染症対策は基本を大切にすること。その目的は県民の命と健康を守ることにあると言っているのです。この心構えと発信があれば感染症対策は県内に行き届くと思いますし、県民の皆さんの行動にも影響を与えていると思います。

現在、息子さんが岩手県で暮らしていることは、知事の政策を経験できる貴重なことだと思いますよ。

と伝えました。

お母さんは「岩手県って凄い県だったのですね。感染者ゼロの理由が分かったように思います。早速、息子に伝えます」と話してくれました。

岩手県の感染者がゼロなのは人口密度が低いだとか過疎化しているなど言われていることがありますが、そんな理由から感染者がゼロでいられるはずはありません。防ぐことに精通している人がいる、衛生管理を徹底する文化がある、それを守る人がいる。そうでなければ説明できませんし、他の県は岩手県から何も学ぶことができません。

和歌山県にいるお母さんから岩手県の息子さんに対してこんな説明をしてくれたら、息子さんは「岩手県は凄い県だ」と思ってくれますし、「岩手県がゼロの理由を考えている和歌山県も凄い県だ」と思ってくれるはずです。

その他
  • 再開している学校の問題について相談を受けました。和歌山県では6月中旬から公立学校の授業が再開していますが、時期が遅れて再開していることなどに起因している問題について聞かせてもらいました。子どもの勉強、学校生活を再優先して考えていきます。
  • 障がい者施設の問題について話し合いました。とても親切、丁寧に入所者のお世話をしていることを、行政などに知ってもらうことが必要です。現場の職員さんの取り組みを知ってもらうことも時には必要だと感じています。