活動報告・レポート
2020年7月23日(祝・木)
県議会報告
県議会報告

「片桐さん、和歌山県の将来に夢のある報告をして下さい」と依頼を受けて、約1時間、県議会報告を行いました。以下、県議会報告の内容を要約して記載します。

和歌山県は半島に位置しているため、長く国土軸よりも発展の機会を得られずに年月を重ねてきました。そのことは自然や文化を育んできた県土を今につなぐことになりましたが、産業、雇用、経済面では他府県と比較して後れを取ってきました。

しかしようやく機会を創り出せる政策を揃えることができました。どんな政策にも賛否はありますし、賛成意見も反対意見も尊重しながら調整を進めるべきだと思いますが、まずは和歌山県が進めている県土発展の姿を分かって欲しいと思います。

一つは東京から、そして外国からのお客さんを迎えるゲートウエイとしての役割を南紀白浜空港が果たせるようになることです。現在、国際線ターミナルビルを建設中で、令和3年3月には竣工する計画です。このように国際空港を持つ地方都市は少ないと思います。

国内外とも空路のお客さんは、関西空港から入ることが多いと思います。大阪から入ったお客さんはどうしても大阪、神戸、京都の三都市を回ることになり、和歌山県には来てくれる機会は少ない状況です。そこで大阪から入り、和歌山県に来てもらい、また大阪から帰るルートと共に、和歌山県から入り、和歌山県から帰ってもらうルートが南紀白浜空港があることで実現できます。

和歌山県を存分に楽しんでもらえる観光ルートを作れるので国際空港があることを生かすことを考えています。白浜町を拠点として、熊野古道を歩くルート、熊野三山を巡る観光、串本町のロケット射場観光、温泉地巡りなどの観光周遊コースを提供できることになります。

ロケット発射場は令和3年8月に竣工した後、初号機を打ち上げることになります。これは宇宙産業、つまり民間ではなかった新しい産業が誕生することであり、他にない観光資源になり得るものです。串本町も観光と将来、組み立て工場や研究所の立地が実現すれば新産業の拠点となります。

加えて南紀白浜空港はプライベートジェット機の発着が可能で、旧空港が隣接していることから駐機できるスペースを有しています。これも和歌山県が国への申請を予定している統合型リゾートが実現すれば、白浜町から和歌山市へと向かう観光ルートが生まれることになります。

つまり南紀白浜空港を拠点として、熊野地域、串本町、そして和歌山市までを結ぶことになり、今でも国内外から観光客が訪れる聖地高野山も含めて面的な観光ルート、しかも滞在型の観光ルートが実現することになります。

ここまでは中期的視点に立った県政ですが、長期的には紀淡海峡ルートの構想を事業化させることがあります。このルートは高速道路で徳島県と和歌山県を結ぶことと、新幹線でも両県を結ぶ計画です。高速道路は海峡を渡りますが、新幹線は大分県から松山市、高松市、徳島市を経由して和歌山市に入り、そこから関西空港から堺市を経て新大阪につながるルートを取ります。今から30年前に構想があった紀淡海峡大橋と違うのは四国新幹線でも結ぼうとすることです。

昭和48年に策定した国の整備新幹線基本計画に謳われているように、この計画で実現していないのが四国新幹線だけですから、次はこの路線に向かうことは必然だと思います。このルートまで実現を目指しているのが和歌山県政です。

将来の夢を描くことが政治の役割です。「無理だ」と思って計画も立てないことでは、思う政策が実現することはありません。県の計画として形にする、政府要望に書くことで、実現に向かい始めるものだと考えています。

令和2年の今日、和歌山県の人口は約91万人です。最大約102万人の人がいた和歌山県ですが、毎年約1万人が減少している現実があり、このままではもしかして来年は90万人を切ってしまう恐れがあります。人口問題への対応は喫緊の課題であり、将来の人口減少に歯止めを掛けることを考えています。既存の重厚長大型の産業が縮小、あるいは撤退し始めている環境にありますから、新たな産業を立地して人口を維持する、そして雇用を生み出すことが必要です。

そのためにできることは実現する。その覚悟をもって県政を進めているところです。大きな視点で和歌山県の将来を思い描いていただき、できるなら皆さんの応援を得られたら計画実現の推進力となります。

和歌山県では単発的な政策を進めているのではなく、線から面へとつながるような政策を実行しているところです。今の世代、次の世代にまで通用する政策を立案し実現に向かわせていますので、皆さんの応援をお願いいたします。

以上のような議会報告を行いました。本日、参加いただき、そして聞いていただいた皆さんに感謝しています。