活動報告・レポート
2020年7月22日(水)
和歌山市旭学園訪問
和歌山市旭学園訪問
旭学園訪問

児童養護施設和歌山市旭学園を訪ねました。訪問の目的は、社会貢献活動を行っている「和歌山会議」から新型コロナウイルス感染症予防のためのマスクを届けるためです。東京や大阪を中心に、既に第二波ともいえるような状況になっているように、和歌山県内でも陽性患者が発生しています。今年は夏休みが短縮されていることから、今日も子ども達は通学をしていますが、通学時や学校ではマスクを着用して授業を行っています。そのためマスクは必需品で、「和歌山会議」としてどんな支援を期待しているのかを確認したところ「マスクが嬉しい」ということになり、「和歌山会議」の有志からマスクを提供しました。

学園では施設長、先生方と懇談する時間を取ってもらいました。家庭内暴力や精神的迫害などの問題が発生したなど理由のある家庭の子ども達がここで暮らしていることを聞かせてもらいました。当該家庭の問題を解決することと、できるだけ親と接する機会を持つことで、元の生活に戻れることを目指していることなど、子ども達のことを考えて体制を組んでいることが分かりました。

「和歌山会議」は社会貢献活動、社会的立場が弱い方のお役に立ちたいと思って集まっているメンバーで構成しています。定例会は毎月一度開催していて、これまでも困っている環境にある子ども達の支援を中心に支援を行っています。支援は4か月に一度ぐらいですが、その時の代表者は会のみんなの思いを届けています。

今日、旭学園の子ども達からメッセージをいただきました。小学生の子ども達からのメッセージを施設長が読み上げてくれましたが、子ども達の素直な思いを聞かせてもらうと温かい気持ちになってきました。次回の定例会で「和歌山会議」のメンバーに、子ども達からの感謝のメッセージを披露することにしていますが、メンバーの喜ぶ顔が見えてきそうです。

学園に対しては「子ども達にマスクを届けられたことを嬉しく思います。第二波が近いと感じていることや夏休みが短いことから通学時にマスクが必要となっていることなどから、お役に立てることを嬉しく思います。『和歌山会議』のメンバーに子ども達のメッセージを届けますが、きっと社会に役立っていることを実感し、更に仕事を通じて社会に貢献できることになると思います」と伝えました。

懇談の中で、一人の先生から現役の教師時代の話を聞かせてもらいました。

教師に採用されて2年目のことでした。小児まひの生徒の担任を受け持ちました。この子は大変な頑張り屋さんで、勉強も体育も、そろばんの授業も、全て自力でやり遂げようとしていました。手伝ってもらうことを好まないで、自分でやろうとする子でした。問題を解くことやそろばん、走ることでも時間がかかりましたが、助けを求めない子どもでした。まだ24歳だった私は、教師のあり方をこの子から教えられました。

それは愛情を持つことが何よりも大事なことだということです。愛情があると、その子の行動を見守ることができるのです。問題を解くことに時間がかかっていても、必要以上に支援することなく、じっくりと勉強を見ることができるのです。長距離走の体育授業で、周回遅れの場面がありましたが、他の生徒と同じように見守ることができるのです。

特別扱いすることなく、必要以上に手伝うこともなく、他の生徒と同じ愛情をもって接することができたのです。愛情で生徒と接すること。そのことは甘やかすことではなく、社会に出た時に通じる子どもであって欲しいと思うので、時には厳しく接することもありました。

叱られた生徒も大人になった今は、私の気持ちが分かってくれたと思います。残念なことに、私に教師のあり方を教えてくれた生徒は、50歳を少し超えた時に亡くなりました。その子は臆すことなく、頑張った人生を送ったと思います。教師としても、今の学園に勤務している私にとっても、子どもと関わることの原点になった生徒でした。

という話です。

愛情をもって子ども達と接している先生方の思いを聞いて、子どもと関わる立場にある教師、大人のあり方を考える契機となりました。

PTA会長との懇談

和歌山市内のふたつの中学校の校長先生とPTA会長と懇談を行いました。これは中学生の来春の高校入試に関する意見を聞かせてもらったものです。新型コロナウイルス感染症への対応が最大の懸念材料で、「勉強の遅れは出てこないか」「受験への影響を無くして欲しい」「修学旅行、運動会、文化祭は実施したい」など、例年以上に問題への対応が求められる状況だと考えています。聞かせてもらっている要望は県教育委員会と協議しながら対応を検討していくことにしています。中学生の勉強と学校行事、そして楽しい思い出のために出来る限りの支援をするつもりです。