活動報告・レポート
2020年7月20日(月)
偉大な故郷
偉大な故郷

先週の活動報告に光明皇后の話を記したところ、早速、意見をいただきました。その時代から現代につながる話なので、物語が展開していくことを嬉しく思っています。

聖武天皇が東大寺を建立したのは、当時、都に疫病が流行したからだと言われています。その疫病とは天然痘だったそうです。聖武天皇は天然痘を鎮めるために、当時の国家予算の倍の金額を費やして東大寺と大仏を建立したのです。

神道は見えないものを信仰することですが、見えない疫病に立ち向かうために人は形あるものが必要な時があります。しかも人の心を震わせ、それを見た時に元気になれる、困難に立ち向かう勇気をいただける、そして生きる希望になるような存在が必要になる時があるのです。疫病が流行した当時、その見える存在が人々を圧倒する大仏だったのです。

巨大な大仏を見た人は、圧倒的な存在、畏怖の心を感じ、そこに生きる希望を見出したと思います。意見を伝えてくれた人は「現代だったらニュースやインターネットの記事などで、知ることで安心できるものが大仏だった」ということです。この大仏が人々の心を落ち着かせて、見えない疫病に立ち向かう勇気を与えたのです。

見えないものを信じることはとても大事ですが、見えるものに置き換えるとその偶像から生きる希望や立ち向かう力などを感じることができるのです。しかし忘れてはならないことは、見えるものだけを崇拝したのではないということです。聖武天皇は襲い掛かる「災い」を「祈り」の力を以て鎮めようと考えていたと思います。古来より天皇は「祈り」の力によって国を護り、国民の幸福を守ってきたからです。

それにしても聖武天皇が在位した奈良時代、都で流行したのが天然痘だったことを知り、和歌山県はそのことにも関係していることの不思議さを感じました。和歌山県出身で江戸時代に活躍した医師である小山肆成は、日本で初の国産天然痘ワクチンの開発に成功した人物です。天保の時代、和歌山県熊野地方を中心に発生した天然痘を抑えるために研究を重ね、苦労の末にワクチンの開発に成功したのです。イギリスのエドワード・ジェンナーがワクチンを開発してから半世紀ほど遅れていますが、わが国を疫病から救った人物が、和歌山県の偉人の一人、小山肆成、その人なのです。

奈良時代の天然痘は大仏の力を得て鎮静化させ、江戸時代の小山肆成はワクチンで天然痘を終息させました。疫病は、その時代、その時期に応じて解決する人物が登場したのです。そして令和の時代、新たな疫病である新型コロナウイルス感染症が発生しました。このウイルスも、誰かがワクチン開発して鎮めてくれると思いますし、それ以外の方法を発見する人が登場するかもしれません。疫病との戦いは古来よりあるものであり、その都度、わが国、国民は打ち勝ってきました。それは見えない「祈り」であり、見える存在の奈良の大仏を崇めることであり、天然痘ワクチンであり、時代背景によって異なりますが、叡智を集めて乗り越えてきた歴史があります。

今回の疫病に関しても、わが国はやがて克服することになりますが、見えないものを信じる力、見えるものによって情報を得ての行動が鍵となりそうです。

太刀ヶ谷神社

それにしても、太刀ヶ谷神社、光明皇后、聖武天皇へと物語は続き、江戸時代の小山肆成へと続いています。歴史を知ることは現代の課題を考えることになりますし、克服してきた先人の取り組みと同じように、専門家の意見や情報に基づいて行動することが解決への方法であることを学べます。

そして最近、僕が語っている歴史物語も厚みが増してきました。そこから故郷がわが国に果たしてきた歴史を知り、故郷の偉大さを感じています。日本書紀から派生した現代に続く物語を語れるのは少なく、和歌山県はその代表的な県だと思います。
故郷と故郷の偉人に誇りを感じることができます。

その他
  • 和歌山県の事業者支援策について協議を行ったこと。制度適用ができるか否かの線引きの判定が難しい事例があります。個別に協議しています。
  • ライブハウスや飲食店の営業について話を聞かせてもらいました。和歌山県にも第二波が到来している感があり、お客さんの動向が見込めない状況になっていることへの対応について話し合いました。
  • 「KAKKIN和歌山」の総会に参加したこと。議案書はメールで確認を行い、総会は代議員が集まり議案の提案と決議しました。