支援学校の卒業生を中心にメンバー構成をしているサッカーチームが「ブルーダイヤモンズ和歌山」です。日曜日の今日、練習日だったことから応援に行ってきました。これまでも全国知的障害者スポーツ大会(サッカー競技)近畿地区大会に出場して戦うなど、他府県の強豪チームと試合を重ねています。
グラウンドで監督、コーチ、そしてキャプテンを始め選手の皆さんを紹介してもらい、激励の言葉を伝えてきました。チームは25人ぐらいですが、年齢構成は20歳代から30歳代までなので社会人として仕事に就いているため、練習に参加できるのは10名前後になっています。なかなか全員が集まれないのでチーム練習は難しいようですが、今日も5人対5人でミニゲームを行うなど、工夫を凝らして練習を行っています。
練習日程はメンバーが仕事を持っているため、試合のある日から逆算して決めています。試合日が決まれば、そこから練習日程を組み、それに合わせて職場の理解を得て休日や休暇を充てて、練習に参加しているようです。今のところ練習は一週間に一日なので、監督からは「もっと強くなるためには一週間に4日ぐらい練習日を確保したいのですが、仕事の関係でそうはいきません。現在、大阪府や奈良県のチームが強いのですが、一週間に4日の練習を行っています。それらのチームと戦うためには練習日の確保が必要ですが、それが課題です。練習をやれば上手くなりますから、試合に合わせて練習日を増やすようにしています」という話でした。
練習を見させてもらいましたが、パスも強くて正確で「近畿大会で戦うだけのことはある」と感じました。監督は「技術もそうですが、試合に勝つためにはメンタルが大事です。大会である県の代表と試合をしたことがあります。試合前の握手をした時、選手が相手チームのメンバーからプレッシャー受ける言葉を言われたことがあります。それで委縮してしまい、体を張ったプレイができなくなってしまいました。相手選手との接触を避けるプレイになってしまったので、いつものような試合ができず敗れてしまいました。
試合前に脅しの言葉で圧力をかけることはチームとして許されないことですが、それに打ち勝つメンタルを養成することが必要だと思います。試合になれば、色々なタイプのチームがありますから」とも伝えてくれました。
試合に際しては心が大事です。心が沈んでいる場合、心が乱れている場合、試合に集中できませんから、技術以前の問題となります。練習も同じで「この子達が職場で何か落ち込むことがあれば、練習にも影響があります。精神的に落ち込めば練習に来ないこともあります」というように、選手は心理面での影響が大きいのです。
またチームプレイに関しても監督は話してくれました。「チームは個々の技術よりも全体のバランスが大事です。一人の選手がいい加減なプレイをした場合、その選手が日頃から練習態度が悪かったり、挨拶など礼儀が欠けているなどの態度があれば、試合中にチームは崩壊していきます。相手との試合どころではなくなってしまうのです。下手でも練習は真面目にしている。みんなと仲良くできているのであれば、試合でそこを狙われて抜かれたとしてもチームは大丈夫ですが。やはりメンバーとの日頃のつきあいや練習態度が大事だと思います」ということです。
組織であれば同じことが言えますが、短時間で勝敗が決するスポーツの場合は、特にチーム力が大事だということです。
さて今年は鹿児島県で予定されていた全国大会が中止になり、その影響で近畿大会も中止が決定しています。チームとしての目標がなくなっていることから、身を入れた練習にすることが難しいようです。7月に入れば大阪のチームとの練習試合を組んでいるように、試合があることで練習に気持ちが入りますし、チーム力を高めることができます。
今年の大会開催は難しいかも知れませんが、来年の大会出場に気持ちを切り替えて、チーム力を高めて欲しいと思います。
「生きる−偉人に学び、生命(こころ)を強くする」学習会の打ち合わせを行いました。令和2年11月に開催を計画しているもので、故郷の偉人たちの功績と共に、その生き様を伝える学習会にしたいと話し合いました。偉人の功績は当然ながら素晴らしいものがありますが、その師匠や同僚、後輩など、支えてくれる人の存在があったからこそ偉人になり得たと思います。そんな人達も偉人ですが、なかなか登場する機会がないことは残念に思います。和歌山県の場合、故郷の偉人でさえ知られていない、評価されていない側面があり、その周囲にまで広げることはまだ先になりそうです。ただ一人で大きな功績をあげられることはない。周囲の力が合わさって偉業を成し遂げることができたことも事実としてありますから、偉人の功績を見る時、そこに秘められた物語や支えた人物の気配を感じて欲しいと思います。