活動報告・レポート
2020年6月14日(日)
モーニングセミナー後半
モーニングセミナー後半
セミナーの様子

さて本題に入る前に時間を使いましたので、レジュメにある全ての項目を話すことはできないと思いますが本題に移ります。まず項目5番目にある「手帳に書いてある言葉」の中に「明日は今日より素晴らしい」という言葉があります。これは誰の言葉か知っている方はいますか。僕が高校一年の時に出会った言葉なので知らないと思います。

当時の映画「ロッキー」で主演を務めたシルベスター・スタローンの言葉です。無名の俳優だったスタローンが主役を演じ、アカデミー作品賞を受賞、一気にスターへと駆け上ったのですが、その時の言葉なのです。

一昨日、BSのチャンネルを切り替えていたら「ロッキー」に隠されたドラマが放映されていました。「今日のセミナー用に放映されるのか」と思ったほどです。無名な若者たちが「ロッキー」を制作するドラマだったのですが、低予算で撮影もうまく行かなかった中で、思いを持って世に送り出したのです。

「明日は今日より素晴らしい」ことを彼らが信じていたことを表す言葉です。高校一年の時に出会った言葉を毎年、手帳に書き写しているのですが、明日は今日を上回るような日にするためには、今日が大事だということです。

誰でも最初は無名です。無名が悪いのではありませんが、思いを実現させるためには無名のままではいけません。僕が和歌山市議会議員に出馬することを決めた時、今も尊敬しているある人から「最大の問題はUnknowであることだね」と言われたことを覚えています。「Unknow」、そう無名であることは、どんな良いことを言っても発信力がないことを意味しています。同じことを有名人が発言すれば受け入れられますが、無名の人が言っても取り上げてくれないのです。この差は大きい。だからいつまでも「Unknow」であってはならないと思います。でもその「Unknow」の時代を覚えておかなければ、人は高慢になるからいけません。

セミナーの様子

さて、それでは本題の1項目目に入ります。

市議会議員に当選させていただいた年度に、和歌山市で大きな問題になっていた案件が保育園廃園問題です。一年生議員で行政の仕事をした経験がなく、所管である教育委員会の人もしくみも知らない時に惹起していた問題が二つの幼稚園の廃園問題でした。当時の市長、教育長、そしてベテラン議員全員が廃園に賛成していたのですが、一年生議員は「廃園に反対」する立場を取りました。その理由は保護者の皆さんと会って話を交わすことで、存続への思いを受け取ったからです。

幼稚園廃園の理由は行財政改革であり、幼稚園の子ども達のこと、将来のことを考えない判断だったからです。通常、議会で当局から議案提出があれば、審議をして賛否を採択することになります。廃園の議案を即座に採決すれば、賛成多数で可決されることになります。そこで継続審議というのですが、賛否の判断をするには材料を集める必要があるので、結論を先送りする方法です。

結果として二つの幼稚園は廃園となるのですが、ここで議員として大切なことを学び、今に続いています。それは社会的に弱い立場の人の味方になることであり、その思いを同じ視線で捉えることです。強い立場に立つ人には味方は多いのですが、弱い立場にある人には味方がつきにくいのです。だから声が通らない。聞き入れてもらえないことがあります。立場が強い人の味方であることは楽なのですが、いつもそれでは議員として如何なものかと思います。

そして結果が全てですが、結果が出るまでに思いを持って行動したことは関係した人の心に残ります。結果に込めた思いは消えないで、その後につながっていくのです。

和歌山市の二つの幼稚園は平成15年度に廃園が決定しました。そして時代は飛んで令和2年1月5日。今年はあれから17年後です。僕が卒業した向陽高校同窓会は、卒業生を提唱とした成人式を開催しています。同窓会長である僕は成人式に出席しているのですが、今年も出席して挨拶をすることになっていました。

毎年、成人式の当日、その年度の卒業生の幹事と打ち合わせをしています。1月5日も幹事さんが打ち合わせに来てくれました。いつものように打ち合わせをしようとしたところ、幹事さんが「片桐さん、僕のことを覚えていますか」と声をかけてくるのです。僕は今年21歳の男子とつきあいはありませんし知りませんから「??」と思い、彼の胸の名札を見ました。名札には「吉田」と書かれていました。

瞬間的に、思い出したのです。「あの時の大新幼稚園の吉田さんの子どもさんだ」と。僕は「大新の吉田君??」と尋ねたところ「そうです。母からも片桐さんによろしく伝えておいてと言われてきました」と答えてくれました。17年が経過していますが、あの時、存続に向けて一緒に戦ったことが今につながっていたのです。

大学生になった子どもと親子で「廃園問題」の時のことを話してくれている。覚えてくれている。そのことに感動しました。結果は廃園でしたが、決して無駄な動きではなかったのです。関係した人の中にあの時の思いが残っている。そしてそこから成長している、人としてつながっているからです。今年1月、こんな嬉しい出来事がありました。つながっていることは感動を呼ぶことがあります。

今起きている現実は、突然、現れたものではありません。もしかしたら数年前に自分が手掛けていたことが現実になったのかもしれません。だから今が大事なのです。今、思っていること。今、取り組んでいることが数年後、もっと先の10年後、20年後の現実になるかもしれないのです。逆に言えば数年後に実現させたいことがあれば、今から取り組む必要があります。今、やっていないことが現実になることはありません。結果ができるかどうかは分かりませんが、少なくとも、今もやっていることがこの先、現実になる。やっていないことは数年先も現実にならないのです。それは、現在と未来はつながっているからです。時間も人もつながっていることを意識して行動すれば現実になる。そのことをお伝えして、時間が来ましたので講演を終えたいと思います。予定していた項目を残しましたが、次回も呼んでいただけるなら続きをやりたいと思います。ありがとうございました。

ホタル観賞会
流しそうめん

案内をいただきホタル観賞会に参加しました。行った場所は紀美野町で、ホタルの舞っているところを見ることができました。たくさんのホタルの見事な舞に参加者は声をあげるほどでした。

ホタルは成虫になると、わずか一週間の命だと聞きました。たった一週間を生き、見る人に感動を与えてくれています。川の水面からの乱舞は見事という他なく、写真で撮影しようにも光が優しく、周囲が真っ暗なので撮影できないほどの光景です。

そして鑑賞できる期間は6月中旬から月末までなので、命を確かめられる貴重な時間だと思います。今回、お招きをいただき、ホタル観賞前に庭でのバーベキューと流しソーメンなどを楽しみました。ありがとうございます。