所属している茶道部長から電話をいただきました。「片桐さん、ありがとう、心から感謝しています。電話の前で頭を下げていますから」と伝えてくれました。部長の言葉からその状況が写っているように感じました。
茶道部の活動も新型コロナウイルス感染症予防の観点から、今期の行事は全て見合わせています。役員会は人数を絞り6月に開催する予定ですが、公式行事再開の目途は立てていません。早くても秋からとなる見込みなので、こんな時こそ部員同士で励まし合い、助け合いが必要だと思います。今回、そんな視点から、茶道部に対してお世話になっている感謝の気持ちを伝えたいと思った次第です。こちらの方こそ部長からの電話に感謝しています。
伝統文化は心を育むことも目的のひとつです。作法を通じて心を穏やかに、そして相手を敬う気持ちを育てるのです。簡単に言うなら「おもてなし」の気持ちを持ち、「一期一会」の心を持って接するのですが、作法を通じてお互いの気持ちを交流させて、今、この時の出会いと、今後に向けたつながりに発展するように気持ちを通わせるのです。
文化活動を通じて養った精神は、直接会えないとしても部員同士は心を通わせています。部長から言葉をいただきましたが、言葉がなくても通じているように感じています。形式的にも思いますが、お茶をいただいた後の「結構なお点前でございます」に込められた心を思い返したいのです。人は相手を批判することで自らを高められるものではなく、理解して称え合うことで高められるものだということを。「自分だけが」ではなく「共に」の気持ちを持って社会活動を実践していきたいと改めて思いました。
学校給食に関して話し合いました。理想は食材の地産地消であることから、和歌山県では「学校給食地場産品使用率」の目標を40パーセントに掲げていますが、平成28年度の実績では25.7パーセントに過ぎません。つまり学校給食で使われている食材の75パーセントが県外からになっています。
現在、新型コロナウイルスの影響を受けている県内生産者が、再開後に食材を提供したいと思っても、給食事業者が地元食材を使わないので県内生産者が引き続き困ることになる現状があります。こんな時こそ地元生産者の食材を活用すべきですが、そうはなっていない現状が分かりました。学校給食の食材は地元産品であることは育った環境からしても利点があると思いますし、地元生産者の食材を使うことで域内経済が循環することになります。
給食事業者の仕入れる単価の問題や、保護者が負担する給食費にコストを合わせる必要もあると思います。ただ子ども達の健康増進や成長期であることなどを考えると、地元食材を活用した給食に移行させていきたいと思います。
令和2年度は若い世代を中心とした食育を推進するため「みんなで考えた、ふるさと和歌山給食飯グランプリ」が開催することが計画されています。地元食材を活用した給食メニューを生徒と保護者の皆さん、そして学校給食に携わっている皆さんに考えてもらい、計画しているコンテストに応募してもらおうという試みです。
学校給食に地元食材を取り入れたメニューの開発によって、食の安全と生徒の健康と健全な成長を考えてもらえる契機になると思います。そして地元生産者が給食に関わることで、小さいかもしれませんが域内経済がまわることも期待できます。
また歴史のある和歌山市内の食品加工品会社が倒産している事実があります。かまぼこやお豆腐の製造会社が消えていますが、地元加工品会社がなくなることは、地元の食材が消費者に提供される機会を奪っていることになります。地元食材の取り扱いができなくなることや、地域経済にも影響があります。食品加工が産業として成り立つことも和歌山県にとって必要なことです。
令和2年度のこの優れた企画と取り組みを支援しています。