ある団体の元役員の方が「新型コロナウイルスが治まった後の社会のしくみは相当変わると思います。今から対応を考えておく必要があります。現職の役員の皆さんに考えておいて欲しい」という話をしていたことを聞かせてもらいました。
事務所を訪ねてこの問いかけをしていたのです。後輩に対して考える機会を与え、同時に落ち着いてから議論をすることを望んでいるように感じています。
問いかけをしてもらうと、それが考える契機になりますから、今の社会情勢を漫然とではなく、自分の視点で見て考えることができます。社会では、答えを出すことが求められている場合と、答えが求められない場合がありますが、物事の節目になる、或いは考えて成長する機会になるのは、答えを求められている場合です。学校の試験や資格試験などの場合とよく似ています。
答えを求められているとそのことに対する真剣さが違いますから、考えて物事を見る、人の話を聞いて考える機会になることになります。
社会で起きる問題に正解はありませんが、正解と思えるところに近づくことが大事だと思います。新型コロナウイルス感染症への経済支援として、協力金を支払う施策がある場合と、ない場合も答えを出すことの事例となります。協力金制度を設けた場合と設けなかった場合によって、現実社会は違ってしまいます。
協力金制度を設立した場合の現実においては、制度化しなかった場合の現実はなくなります。逆に制度化しなかったことが現実だとすれば、制度化した現実はありません。ですから現実になっていない社会は存在していないので、単純に比較できないのですが、現実と現実にならなかったその姿を想定して比較することで、どちらが多くの人の支持が得られるのか推測することができます。どちらの現実であっても賛成派と反対派に分かれますが、賛成意見が多ければ、それは正解に近いと推測しても良いと思います。
つまり現在の社会を真剣に見て、正解は何かを考えることが勉強になるのです。人によって捉え方は違いますから、人生経験のある先輩とそのことについて話し合うことが答え合わせになりますから、社会勉強になるのです。そんな訓練の機会を設けてもらえることは嬉しいことであり、今起きている現実と人の動きを観察することで、正解に近づけるよう考えることができます。
新型コロナウイルス発生前と後とでは社会が変わる。どのように変化するのか、そのことを考えてみたいと思います。
訪問した事務所で今から約40年前に有田市でコレラが発生した時に対応した方がいたので、その時の話を聞かせてもらいました。当時、有田市役所に対策本部を設置して、和歌山県と有田市が合同で対応に当たったそうです。見えないウイルスに対応するのは恐怖と信頼が鍵になったそうです。
対策本部長からは「対策本部のメンバーはお互いに信頼して仕事にあたること。信頼して仕事を進めることが大切です」と話があったそうです。それぞれ役割分担して事にあたりますから、味方を信用しないで一人で進めることはできません。大きな仕事はチームで進めることが必要なので、解決の日は見通せなかったのですが仕事を進めたそうです。手洗い、うがい、シャワーなど清潔を保つことでウイルスを予防することができます。そして人との接触を避けることを前提に仕事を進め、見事、ウイルスに打ち勝ったことを聞きました。
その時のノウハウは「和歌山県に残されている」ということで、「その時と同じではないですが、組織としての経験が役立っているように感じます」と話してくれました。
当時の若手が責任ある立場となり、新型コロナウイルスと戦っている姿を見て「頼もしく安心しています」と語ってくれました。組織にある経験が役立っているとすれば、今回の経験も将来役立つことになります。
噂のアベノマスクを初めて見ることができました。中学生が「学校で配布してくれた」のですが「誰も使わない」ようなので、その一枚を預かりました。「どうして使わないのですか」と尋ねると「格好悪い」「小さすぎる」「今頃、配っても遅い」「学校では誰も使わない」「きたない」「デザインが悪い」などの理由だと教えてくれました。
確かに思っていた以上に小さくて、「大人は使えない」と感じました。中学生でさえ「学校でも人気がないですし、いらないです。こんなマスクに税金を使うのは良くないと思います」と話してくれました。
- 書道教室の先生が「これから先は同じ教室のあり方ではいけないと思います。遠隔教室を考えています」と話してくれました。向かい合っての指導からモニターを通じての指導もできるようにする。先生も社会の変化に対応することを考えているようです。
- 訪問したテーブルコーディネイトの教室はお休み中でした。「予防のため2ヵ月ほどお休みにしています」ということでした。最近の状況について話し合うことができました。