陸奥宗光伯の言葉に「政治はアートなり。サイエンスにあらず。巧みに政治を行い、巧みに人心を治めるのは、実学を持ち、広く世の中のことに習熟している人ができるのである。決して、机上の空論をもてあそぶ人間ではない」という名言があります。まさに新型コロナウイルスへの地方自治体の対応はアートが求められています。
この言葉を調べている時に開いたインターネットの中に、田中良紹氏のブログがあり、この言葉について次のように記していました。
「政治は『理屈』より『経験』、『知識』よりも『知恵』が大事で、『手触りの感触』や『感性の鋭さ』を磨き、『俯瞰で見る能力』と『歴史に学ぶ姿勢』が必要である。そして『目的に真っ直ぐ進む』より『紆余曲折をして見せる』方がゴールに先に到着できる。
ところがそれを理解できない人種がいる。特に自分を『インテリ(知識人)』と思っている人種に多い。そういう人種は理屈に合わない事を拒絶する。しかし世の中はそもそも理屈に合わない事で成り立っている。その不都合な世界を調整するために政治がある。理屈通りに物事が進めば政治の役割は小さくなる」というものです。
理屈で人は動きませんし、納得させることは難しいものです。理屈通りに社会が動くなら、人が納得するのであれば政治は必要なく、規定通りにすれば良いのです。それこそAIに取って代わられるものになります。人間社会は心がありますから、そうはならないものなのです。
また陸奥宗光伯は次の言葉も残しています。
「勝者を過褒(かほう/過大評価)し、敗者を過貶(かへん/過小評価)するは誠に人情の弱点なり」。勝者が正しいと思うことがあるように、この気持ちによく陥りますが、全てはそうではないことを知っておきたいものです。
48.金融機関は大変混雑しているので書類を見るのに2週間待ち、融資実行までにまた2週間待ちの状態です。これが「早くて」の場合です。いま、申請をしても一か月後の融資実行になるのです。和歌山県の制度融資は有り難いのですが時間がかかり過ぎる状態です。兵庫県明石市のように思いやりの心とスピード感のある支援をお願いします。
・参考。明石市長の令和2年4月16日の記者会見から一部を引用します。
「自分としては困っている人の具体的な力になりたい、そういった思いで子ども時代から過ごしてまいりました。そういった思いの中で弁護士になり、活動などもしておりました。
そういった思いの延長線上で市長になり、今仕事をしているつもりです。今まさに目の前に、明石市内に困っている方が数多くおられます。こういった時にこそ、困っている市民に対して具体的にしっかり手を差し伸べることをしていきたい、そういった思いを込めたつもりです。特にしつこいようですが、これもよく言っておりますが、もちろん国や県の応援をいただきたいわけであります。
ただ待っていられない状況だと思っておりますので、国や県の支援があるまでのまさにその間持ちこたえていくという意味においては、より市民に近い立場にある行政である明石市が、できるだけ早い形で具体的な支援をしていく必要があると思っております。
そういう意味では、5月とか6月に入ってくると、また少し動きが見えてくると思いますが、そこまで持ちこたえられるかどうかの声が上がっておりますので、明石市としては今回につきましては、まさにスピード感のある緊急支援という形を取らせていただきたいと思っております」。
明石市の緊急支援策に込められたメッセージが記されています。次のメッセージです。
「困っている市民に手を差し伸べるのが行政の使命・役割」と書かれています。首長が温かい言葉を発信してくれることで安心感が生まれるので、和歌山県も情報発信の好事例に学びたいと思います。
和歌山市内でもマスクはスーパーやドラッグストアでは品切れ状態が続いています。店頭に並んでも直ぐに無くなるようです。そんな中、マスクを取り扱っている会社が好意で販売してる場所がありました。通りかかった方が嬉しそうに買っている姿があり、人と人が触れ合う温かさを感じました。
「こんな時に取り扱ってくれているのは嬉しいことです」「子どもが学校でいるので有り難いです」などの声が聞こえてきました。