令和2年4月臨時県議会が開催されました。この議会は、主に新型コロナウイルス感染症への対策の議案審査のための議会です。和歌山県として「感染症の拡大防止」に最大限の取り組みを行うため補正予算を成立させる必要があり、今日と明日の二日間で迅速な審議を行う予定です。
新型コロナウイルス対策に関する議案は、議案第89号で113億9,200万円の補正予算となっています。主な施策は次の通りです。
- 医療提供体制の強化と感染防止拡大の防止を図るため、感染症病床および軽症者や無症状者に宿泊するための宿泊施設の確保。
- 感染患者に対応する医療従事者が宿泊する場合の宿泊費。
- 中小企業への制度融資枠の拡大と無利子融資制度の創設による資金繰りの支援。
- 学校休業時におけるオンライン学習の必要な環境整備のための経費。
県議会での知事からの提案理由は次の通りです。
「国の緊急経済対策を最大限に活用し、スピード感をもって対応するとともに、事態収束後には、一日も早く地域の活気を取り戻し、県経済を復興できるよう対策を進めてまいります。世界の状況をみても、今回の感染症との戦いは長期戦の覚悟が必要です。
これからも最大限の緊張感を持って非常事態に立ち向かい、皆様の命と暮らしを守り抜くため、オール和歌山で取り組んでまいります」と決意を示してくれました。
明日補正予算案の審議を進めますが、主な和歌山市内の事業者の皆さんからたくさんの意見、要望を聞いています。これから意見を強く訴えながら審議を行います。
多くの事業者からは現状の厳しさを分かって欲しいこと。こんな時こそ、お店を支援して欲しいことの要望があります。
他府県では休業宣言とそれに伴う補償が政策として示されつつあります。和歌山県からは休業要請も休業補償もしないと発言がありますが、事業者も県民の一員であると思ってくれていないようです。「県民の方に外出しないで」と呼び掛けていますし、飲食を伴うような自粛を求めています。お店を開けていても「お客さんが来ない」状況を創り出しているのです。更に県外から来たお客さんに控えてもらうよう、お店に「県外からの訪問客の自粛をお願いしています。県外からお越しの皆様には。このことを御理解いただき、御来店をお控えください」と張り紙をすることの要請があるなど、お店のことを考えてくれない状況にあります。和歌山県には家賃などの固定費や売り上げ減少分を少しでも支援して欲しいと思います。
和歌山県ではパチンコ店が開店しているので他府県の車が和歌山県に来ています。普段であれば歓迎すべきことですが、世界全体が非常時です。外出を自粛するよう呼び掛けている中、他府県で休業要請している業種に対して行動を起こしていないことは「来て下さい」と言っているようなものです。危険に晒されているのはそこで働いている人であり、県民である私達です。放置していていいとは思いません。
県外から娯楽や買い物、観光などで和歌山県を訪れる人が増えているように感じます。結果として県民の安全を確保できない状況にさせていると思います。大阪などでは感染経路が不明なケースがありますから、このような状況を創り出していることに危機を感じます。知事は呼びかけるだけで休業を求めていないので、お客さんに「来ないで」と言っても強制力はないので限界があります。置かれた事情は違うとしても、奈良県や滋賀県も休業要請をし始めると、益々、和歌山県に他府県からお客さんが来ることになります。果たして県民が不安に思っている中、声をあげている中、適切な判断と言えるのかと思います。
旅館やホテルに対して、県外からのお客さんの予約が入った時に、予約を受けないようなニュアンスでお断りに近いようなことを伝えることは難しいと思います。事業者からは言うことは難しいことなので、それなら県として対応して欲しいと思います。
主な意見を記しましたが、まだまだ多くの意見を聞かせてもらっています。議会で皆さんの要望や思いを訴えていきます。
- 持続化給付金について説明を行いました。多くの事業者が厳しい環境になっています。早く制度申請ができることを待っています。
- 新型コロナウイルスの現状の情報発信することについて協議を行いました。東京都のようにデータを分かりやすく知らせるための発信方法について話し合いました。和歌山県でも東京方式の発信をスタートさせています。
- 今日も、感染症の影響を受けて売り上げが落ちている事業者の皆さんと話し合いました。融資制度も活用したいのですが、この環境下で借入金を増やすことに不安を感じる経営者があります。収束後、直ちにお客さんが来てくれるのか。経済事情が元に戻るのかなど不安を抱えているので、融資には慎重姿勢になっていることもあります。その意味からも和歌山県として協力金、救済金を決めて欲しいと考えています。