和歌山県内の飲食店では、外出自粛要請が宣言された後からは、さらにお客さんがひどく落ち込んでいます。今日もお一人の経営者の方から相談を受け対応していました。
このお店は3月の売り上げは前年度比で80パーセントの減少、4月(昨日現在)は90パーセント減少になっています。売り上げが落ち込んでいることから固定費の負担が大きくなり、この状態が続くなら「お店を維持することが困難」になっているのです。
同業他社と同じように人件費と家賃などの固定費の占める割合が大きいため、売り上げが落ち込むことで、特に直近の二か月は支払いが超過している状況です。しかもこれから先も外出自粛が続くと思われることから、運転資金の支援も依頼があったものです。
今回の新型コロナウイルスの影響を受けている事業者の方々に関する融資は、政府系金融機関は相当幅を持って対応してくれていますが、申請に際しては必要となる資料とその数字を証明できる帳票や資料などが必要となります。整えて申請することになりますから、必要資料事前準備と書類作成について、そして形式などのお手伝いをしているところです。
数字を示してくれることは信頼に基づいてのことなので詳しくここで書くことはしませんが、とにかく提出資料を整えることに慣れていない方が申請することは、思っているよりも簡単なことではありません。慣れていない人や、融資を受けることが初めての人にとっては支援が必要となることがあるので相談に応じています。事情の違う個別の案件に応じることは決して簡単なことではありませんし、話を伺って書類を整えるまでには時間も必要とします。
さらに金融機関に提出してから審査があり融資決定するまでには、現在の店頭の混雑状況からすると1カ月半は見込んでおくことが必要だと思います。急を要するとして今から申請しても、資金を得るには最短でそれだけ先になります。時間的な余力があれば問題はありませんが、その間の経営のあり方を考える必要もあります。
平時であれば返済余力と事態が収束した後の経営を考えて申請しますし、金融機関の審査も同様だと思います。しかし今直ぐの資金を求めている方々の話を伺うと、それらの要因を緩めてでも融資の必要性を感じています。確定申告や公的な資料の添付ができないとしても、それに代わるこれまでの売り上げや、売り上げが減少している様を証明できる帳簿などがあれば、審査に応じてくれるなどの感触があります。
このように、金融機関の担当の方々も審査時間を短縮することや、支援することを念頭に置いて対応してくれていることを感じます。それぞれの立場で出来る限りの取り組みをして、この危機を乗り越えようとしていることも感じます。
今日、融資に関する相談を受けてくれた方は「私は皆さんと同じ気持ちになっています。同じ気持ちで役割を果たせることに誇りを感じています」と話してくれました。一人の方のこの気持ちが共有されていく流れができれば、みんなの力を集めて現在の困難に立ち向かえるものと確信しています。
また心配事の一つに「融資を受けられたとしても、お客さんが戻るかどうか分からないので毎月返済していけるか不安に感じています」という声もありますが、現在、直面している危機を乗り越えることを考えて行動する時期だと思います。平時と違って、その後のことは「その時に考えること」で現在を乗り切りたいと思います。その後に続くのは1929年級の世界大恐慌かもしれませんが、今必要とされている支援をしなければ、必要な支援を受けなければ、その後はさらに酷くなるかもしれないのです。
社会が危機に面している状況にあることを共有して、まずは今の困難を切り抜けることに全力を尽くしたいと考えています。
- 保健行政について確認することがあり相談しました。大変お忙しい中、対応してくれた職員の皆さんに感謝しています。
- 事業所への融資に関する相談を行いました。緊急時なのでそれぞれに事情はあるにせよ、事情を聞いて理解できるものであれば斟酌してもらって「今を乗り切るために必要な資金」の支援をお願いしています。
- 医療の支援でできることはないか話し合いました。最前線で活動してくれている皆さんの取り組みを心から応援していますし、国や和歌山県の誇りだと感じています。