「新型コロナウイルスの影響は思っている以上に長期化すると考えています。これから最低でも3年間は耐える時期に入るのではないでしょうか。それぐらい長期戦を覚悟しておくことで気が引き締まります。まずは命を守るために外出を自粛することを仕事よりも優先することは当然のことです。
ただ経営が成り立たない企業、事業者が次々に出てきますから、政府からの大型の救済措置が必要です。これは大企業だから大丈夫とはなりません。感染がどの程度治まるまで事業活動が開始できるかは政府判断なので正確には分かりませんが、年内いっぱいまで長期化すれば名前のある大企業にも影響が及ぶと思います。今から資金繰りをしている企業は、直ちに資金を必要とするものではありませんが、今の事態が長期化することに備えています。
株価が下がっているので、今後、外資から攻勢が仕掛けられてくる可能性があります。日本企業の時価総額、つまり企業価値は外国のファンドからすれば思っているほど高くないので、狙われると日本経済の危機になります。まだ入口だけど出口が見えないのが、ウイルス感染の怖いところです。命を守ることを考えて行動する。そして経済危機と言う第二波に備えることも考えておくことです」。
今もできるだけ多くの人を救うこと、生活を守ること。そして仕事がこれからも成り立つことを目指さなければなりません。休業補償や事業資金の融資は行き届くようにしなければなりませんし、雇用は守ることを優先せねばなりません。
言うまでもありませんが、経済の要諦とは失業率を下げること、つまり雇用を守ることです。国においては「何としても雇用を確保して下さい。その給料補償(支払いの一部負担でも良いと思います)は国が行います」と都道府県に伝えるべきだと思います。
今、事業者からは休業補償と雇用を維持するための補填を求める声が高まっています。残念なことに和歌山県には東京都ほどの財源はありませんから、県単独の政策として補償することは難しいのです。今回の国として実現して欲しい政策です。「会社と雇用は守るので事業活動や外出を自粛して欲しい」と伝えて欲しいと思います。
ところで先月開催された先進主要7カ国(G7)では、新型コロナウイルスに対処する緊急テレビ会議を開き「雇用と産業を支えるため、金融・財政政策を含むあらゆる手段を動員する」とした共同声明を発表しています。そのことから、既にドイツ、イギリス、そしてフランスでは解雇を阻止し雇用を守るための政策が実行されているようです。
三か国の雇用と企業を守るための政策は次のようなものだそうです。
- ドイツ。操短手当の支給要件を緩和し解雇を食い止めること。
ドイツには従業員を解雇せずに短時間労働に移行させることで失業を抑制する「操業短縮手当」と呼ばれる制度があるようです。この政策は、経済政策研究センターなど7組織が「雇用と家計の安定に寄与する」と一定の評価をした上で、コロナ危機が続く間は、さらなる企業の経営支援と雇用の安定化が欠かせないと報告しているようです。 - イギリス。一時帰休状態にある従業員賃金を補助するスキームを導入しています。
これは政府が「コロナウイルス雇用維持スキーム」を新設し、コロナウイルス蔓延の間、雇用主に雇用維持に係る賃金支払いを支援するものです。雇用状況の悪化に際して、政府が賃金の支払いに補助を行う制度の導入は史上初めてのものだそうです。 - フランス。部分的失業制度で対応。
雇用維持支援策として部分的失業制度があるようですが、今回は緊急の雇用支援策として活用することとなり、申請手続きの簡素化および強化、全国雇用基金による職業訓練制度の併用などの政策を実施し、企業の雇用維持を支援することになっています。