活動報告・レポート
2020年4月11日(土)
日本人の心

こんな時にこそ、今一度思い出したい日本人の心について話を伺いに行ってきました。訪れる人が少ないこともあり、歓迎をいただき時間を取って話を聞くことができました。

「古来より日本人には心があります。しかし最近は、その心が失われているように思います」と話を切り出してくれました。Uさんから心に留めたい教えをたくさん聞かせてもらいました。

    耕心
  • 「耕心(こうしん)」。心は耕さなければ石ころだらけになります。石ころだらけの畑には作物は育たないように、心も耕さないでいると心が荒んでいきます。心を耕すと丸くなりますから、心は丸く描くのです。
  • 聖徳太子の時代は「他力」を心掛ける価値を有していました。他力とは、他人に親切にすることで自分の心を磨き成長していくことです。人のために尽くすことは勉強になるという考えです。
    これは観音経の教えに基づいています。
    観音様の色は紺色と緑色だそうです。紺色は、心が清らかでなければ人から教えてもらったことが入ってこない。だから心を清らかに保つことが大切だということです。緑色は包容力を表しているそうです。
  • ところが時代は菩薩経の教えへと変化していきます。その教えとは、自分で勉強することで成長していくものだというものです。これが自力の考えです。
    菩薩様の色は黄色と赤色だそうです。黄色は人を褒めることです。人は褒められると自信がつきます。赤色は情熱を燃やすことです。
  • この四色を混ぜ合わせると紫色になります。紫色は高貴な色ですが、それはよっつの成長過程を踏んで到達したことを示す色だからだそうです。
  • 文化には種類があります。1の文化は心の文化です。2の文化は力の文化です。まず数字があってそこから言葉が生まれています。心が一番、力が二番だということです。日本人は心の文化を有しているので、見えないものを大切にします。表面ではなく見えない裏側にお金をかけるなど大切にしています。質素に見えて力を保持しないけれど、芯がしっかりとしていて心があるということです。
    力の文化は、欧米など狩猟民族の文化です。かつて欧州の権力者の中には、全ての指に指輪をしていた人もいます。これは権力を誇っているもので、装飾品は力の象徴なのです。心の文化を有している日本人は力の象徴である装飾品を見ても「何も感じません」が、最近はそうではなくなっているようです。
  • 実は数字を積み上げていくことが大事なことですが、数字の意味を知らなければ、1を飛ばして2の真似をしてしまう人がいるのは困ったものです。
    1は心、2は力、3は知恵、4は協力を意味しています。1プラス1で2になる人は心と力を備えた人ですが、同じ2でも1を持っていない人は心のない人だということです。1の積み重ねで数字を拡大している人は心のある人だと言うことです。
  • 文化とは芸術、安らぎ。文明とは快適、豊かさです。文化だけでは経済は低下していきますし、文明だけだと経済は上昇していきますが味気ない社会となります。両立を図ることが大切です。
  • 企業を大きくしていけば、楽になることはなくなります。人も同じで立場を得ると楽になることはなくなります。安らぎがなくてもそれでも社会のために尽力してくれているのです。そのことを理解してくれば、感謝の気持ち、心のある接し方になると思います。
  • 過去を調べることで現在の立ち位置が分かり、現在が分かることで未来が見えてきます。過去の出来事を振り返ることで、今の自分にはその出来事の意味が分かります。意味を分かったうえで次に向かいたいものです。
  • 「水月在手月掬」手に水を掬い映った月を見ていると、自分が月を支配したような気持になります。しかし水を流すと手の中から月が消えます。水を掬うことは徳を得ていることの例えであり、徳を捨てると月を無くしてしまうのです。徳を持ち続けることが、心に月を持っていることになります。

心が大事、助け合うことが大切なこと。今、大切なすべきものを教えてもらいました。日本人が有していた心を今一度、取り戻すことが私達にとって大事なことですが、そのためには歴史を学ぶことだそうです。