活動報告・レポート
2020年4月10日(金)
金融機関の心意気
金融機関の心意気

金融機関の方を訪問して、新型コロナウイルスへの対応について話を聞かせてもらいました。

「これまで金融安定化の時やリーマンショックの時を経験してきましたが、今回はそれを上回る資金需要があると想定しています。今回、平時における年間の貸し出し規模を大きく超えた金額を想定しています。(具体的な数字を示してくれましたが、記載することは見合わせます)

過去などの経験から和歌山県の特徴は、東京や大阪などの資金需要が一段落した後に、融資の相談、申し込みに来ることがあります。これらの都市では資金需要が殺到し、既に審査に時間を要している状況ですが、和歌山県ではまだそこまで至っていないので、落ち着いたスタートになっています。

恐らく5月の大型連休明けぐらいから相談と申込み、受付件数が増加していくと想定しています。そこで心掛けていることは、審査に時間をかけないことです。今回、私から審査担当に伝えていることはみっつのことです。『まずはスピード、その次もスピード、そしてスピードです』。つまりスピード感を持って仕事をするように伝えています。

また和歌山県内で必要と予測している資金需要を一つの金融機関で支えることはできないので、他の金融機関とも連携して地元企業を支えていく覚悟を持っています。私共の融資枠がいっぱいだから支援しないと考えるのではなく、私共の融資枠がいっぱいになった場合は、他の金融機関を紹介すること。しかも今回の紹介とは『この金融機関に相談に行って下さい』ではなく、担当には『一緒にその窓口に行って紹介して下さい』ということを伝えています。

また、借入残高が残っていて返済途中の企業であって、通常なら追加融資が難しい案件に対しても、これまでと今回の融資合計金額に対する返済計画をしっかりと考えているのであれば、窓口で断らないで検討する時間を取り、可能であれば追加融資も考えるように指示しています。

それほど地域経済を支えている地元企業の置かれた現実が厳しいことを認識していますし、このままでは経済が持たないという危機感を有しています。資金需要を求めている企業を支援するためにできる限りのことはやるつもりです」と話してくれました。

地域経済を支えているという心意気と、今を踏ん張って乗り切り、立ち直るために資金を求めている企業を助けることを目的としていることが分かる話しです。

金融機関が地元企業を支えてくれる覚悟を感じました。このように、金融機関が地元企業を支援する気持ちを持っていることを頼もしく感じます。

そのため融資を求める企業においては、昨年や一昨年の確定申告や今年に入ってからの売り上げ減を示す具体的証拠を揃えて説明できる資料を整えて欲しいと思います。

この話を聞いて、企業からの相談に対応するためのヒントを得ることができました。新型コロナウイルスによる地域経済に及ぼす悪影響の本格化はこれからになると思うので、行政と金融機関とも連携を図り、可能な限り対応したいと考えています。

その他
  • リフォーム事業者の方と話し合いました。3月になって仕事が止まり、「先月の売り上げはゼロになりました」という話です。現場での打ち合わせで顔を合わすこともできなくなり、現場作業が延びています。打ち合わせも図面も引けなくなり、また抱えている現場も竣工できないなど、収入が入らない状況にあります。国の支援と金融機関の融資を含めて相談に応じました。
  • カラオケ店の相談を受けました。お客さんが極端に少なくなり、4月に入って「ゼロの日が多いので開店時間を短くしています」という状況です。売り上げが落ちても固定費は変わらないので「支払いが厳しくなっています。このままではお店は継続できなくなります」ということで相談がありました。固定費の主なものは、お店の賃貸料、光熱費に加え、JASRACへの支払いがあり、それらを合計すると25万円ぐらいになります。
  • 一昨年の大型台風第21号の被害を受けた道路の補修について協議しました。現場を確認した後、他年度で予算化を図り対応することにしました。現状を知ってからの今日の決定ですから、早期に対応できることになりそうです。
  • 飲食組合が加盟店のことを考えて実施すべきことの話し合いを行いました。できる、できないに関わらず「皆さんの意見を集約して、組合として行政に訴えること」が大事です。一人ひとりの意見は大事ですが、団体として要望することは大きな力となります。会員の意見を聞き、要望として行政に訴えることは大事なことだと考えています。