飲食組合の緊急会議が開催されました。新型コロナウイルスの影響で予約のキャンセル、お客さんの減少、売り上げが落ちていることなどから、現状把握と組合としてできることの協議を行いました。
飲食組合に加盟しているお店が対象なので全てとは言えませんが、調査した結果、全てのお店の売り上げが落ちています。しかし賃料や光熱費、人件費などの固定費は変わらないので、この一か月余りで経営は厳しくなっています。この4月も影響は大きいばかりか、緊急事態宣言が出されることから、更に影響が拡大することを予測しています。
2カ月、3カ月とこの状態が続くと予想して組合としてできる限りの対応を考えておく必要があり、組合としてできることと県や市町に要望することを協議して洗い出しました。
和歌山県内の飲食店は現金でお店を回しているので、現金収入が落ち込むと直ちに経営は厳しくなります。意見として「直近の2カ月は苦しい状況が続いています。これからの2カ月が勝負の時期になってくると予想しています。つまり新型コロナウイルスの影響が出始めて3カ月から4カ月が経過する時が最も厳しくなります。現状のように売り上げが落ち込んだ状態だと資金が尽きて、固定費の支払いが限界に来ると予想しているからです。
そのため対応は、三期に分けて考えることになりました。
今を乗り切るためには融資を受けること。借入金が増えますが、今を乗り切らないことには次はありませんから、まず3カ月を乗り切ることです。そのためには運転資金として、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の活用を組合として周知します。
また人件費対策として「雇用調整助成金」の活用を周知します。雇用を維持しながら休業手当を求める方法です。会社の都合で休業した場合、休業手当は平均賃金の60パーセント以上の場合、給与所得扱いで課税対象となりますが、この場合は雇用調整助成金の対象となります。
新型コロナウイルスの影響があっても雇用を維持することになるので、中小企業の場合は、9/10が助成対象として支給されます。但し、これは一人も解雇しない場合なので、一人でも解雇を伴う場合は4/5の助成率となります。
現在の緊急対応期間は令和2年4月1日から6月30日までで、支給限度日数は1年100日となっていますが、今後の状況に応じて期間延長もあり得ると思います。
この二つの制度の活用をお勧めすることを案として検討します。
飲食店に対する給付金の依頼を行うこと。今回の融資は運転資金などですが、当面、今ある資金を取り崩していくため、数か月後には固定費の支払いが厳しくなります。そこで固定費の支援対策について要望することも組合の役割だと考えています。これは組合で対応することができないので、県と市町に要望活動を行うことになります。
新型コロナウイルスが収束した後も影響が残ると予測しています。ただ営業を再開するだけで人が戻ってくれると良いのですが、終業後、帰宅することが習慣づいた人に飲食店に来てもらうためにはお店としての仕掛け、イベントの呼び掛けなど工夫が必要です。
ところで会議の中で、理事から次のような参考意見がありました。「フランスでは、ロックダウン中の飲食店の経費や家賃、および給与を補填する策が打ち出されたようです」というものです。
また飲食店の現状について「東洋経済オンライン(令和2年4月5日配信)」の記事の通り紹介がありました。
多くの飲食店では、経費の3〜5割を人件費が占める。家賃が1〜2割で、残りが食材費となっている。もし緊急融資が降りても、それを元手に家賃や給与を払い続けるうちは、店の収入が激減しているために負債が膨らむばかり。感染がピークアウトして通常に戻っても、マイナスからのスタートとなる。いっそ店を潰すにも、元の状態に戻すのには費用がかかるため、進むも退くも茨の道が待ち受ける。
何よりも辛いのは、コロナが終息する見通しが見えないことだ。「飲食店の半数以上が3カ月後に潰れてしまう事態をリアルに感じている。2021年開催の東京オリンピックで、世界中から人が集まったとき、どこで食事をすればいいのか」。
首都圏でも地方都市でも同じ現実に置かれています。
組合として集客を図るための方策の検討と県や市町への協力依頼を検討する必要があります。
現在、できることは「お店を続けるために、とにかく資金をつなぐこと」です。全力で資金融通のお手伝いをすることを組合の役割としています。個人でできないこと、個人での発言力は弱いことも有るので、同じ意識を持った組合としてできること、そして要望などまとまり力のある組織として発言していくことにしています。
立場や職種によって有事の役割は違います。それぞれが浮足立つことなく、果たすべき役割を担いたいと考えています。
水道事業の今後について協議を行いました。収益をあげる施策、環境保全への取り組み、水道事業の新しい収益モデルと災害発生時に備えた提案などを行いました。現場調査をしなければ導入の可否は判断できませんが、全国の自治体で検討しているので、和歌山県としても導入できないかの検討を依頼しています。