新年度を控えて理事会が開催される時期になっています。しかし今年は新型コロナウイルスの影響から、テレビ会議や書類での決議などの形で開催して、決算案や予算案などの承認決議をしている団体が数多くあります。危機管理面から良い判断だと思いますが、理事メンバーがマスク着用、手洗いの励行などの予防対策を行ったうえで顔を合わせることも、また危機管理を徹底した理事会のあり方だと思います。
そんな中での一つ目の理事会。理事長から決算案と予算案、活動経過と活動計画案の説明がありました。新年度の活動計画案を決議しましたが、5月以降の計画は新型コロナウイルスの感染範囲の動向や社会の動向を確認しながら実施要否を決定することにしました。講演会や研修旅行の計画がありますから、決して無理をしないようにすることを話し合いました。
二つ目の理事会。理事長、事務長から議案の提案と説明がありました。こちらも決算案、予算案、活動結果案と活動計画案が提案され、全ての議案が承認されました。令和元年度は新規事業にも着手しているので創業時の支出が増えていますが、計画案から新年度からは計画通りに進むものと考えています。
こちらでも新型コロナウイルスへの対応をしながら理事会を開催しました。簡単な状況ではないことを認識しながら、一人ひとりができる予防対策を行うことが大事です。感染予防対策についても話し合い認識を高めています。
ある政治家と話している中で「政治家は判断をすること」が役割であることを話してくれました。「判断することは、とてもしんどいことです。100人が100人とも賛成であれば判断しやすいのですが、多くの場合、意見が分かれます。年齢や置かれた立場、信条などによって賛否は分かれます。そのため賛成が70人、反対が30人。あるいは賛成が51人、反対が49人の場合もあります。そんな状況で判断することは精神的につらいことになります。20人が反対する案件を賛成と判断した場合、その20人から批判を受けることになります。後の事例のように約半々に分かれた時は、49人の反対意見の人から批判を浴びることになります。
批判の声は強いので心を痛めることになります。トップが判断することは結果に責任を持つことであり、反対意見の人からは良く思われないのです。しかし批判されようとも地域社会が良い方向に動くと確信を持った時は、判断できることが政治家です」という内容です。
この話のように、案件の賛否を判断することはしんどいことですが、方向性を決定することで社会は動きますから、誰かが判断しなければなりません。大きな責任を伴う判断を下す立場の人は重い荷物を背負っているのです。背負った思い荷物に負荷をかけるのか、軽くなるように手を差し伸べてくれるのか。周囲の人の態度によって背負う重さが違ってきます。判断には周囲の人からの応援の力が必要なのです。
今から1年前の3月25日。和歌山市内で当時JAXAの上野精一さんの講演会を開催しています。東京から和歌山市に来てくれた上野さんの最後の講演会が、和歌山市で行ったこの講演会だったのです。本人も親しい人も、当然、僕も「これが最後の講演会になる」とは夢にも想像でも思っていないことでした。
健康を回復して、再び「上野さんと話ができる。講演会を聞くことができる」と思っていたのです。実際は「また話ができると思っていたのではなく、最後になるなんて思ってもいなかった」のですが。その時の「宇宙の夢」の種は講演会に参加した人の中に蒔かれ、少しずつ成長しているのです。小学校4年生の生徒が終業式の日に教室で語った「宇宙飛行士になりたい」という「夢」は、一年前の今日の種だったのです。
「あなたの言葉に気持ちがリフトされました。ありがとう。今日が一年前の思い出の日です」と話してくれたことに心から感謝しています。もちろん上野さんが語ってくれた「宇宙の夢」は僕の心の中にも育っています。