活動報告・レポート
2020年3月8日(日)
Fukushima50
お見舞い

高校時代の同級生のお父さんのお見舞いに伺いました。できることはしたいと思っていますが、できることは医療なので担当医師にお願いする以外ありません。ただ励ますこと、回復を祈ること、会って話を交わすことなどで心の支えになれたらと思っています。何度も電話で話をしているのですが、心から回復を祈っているところです。

何歳になっても親を思う子どもの気持ちは同じで、健康で長生きして欲しいことに尽きます。

高校時代、よく家を行き来したのですが、その時はお互いの両親も若くて「良く来てくれたね」と言って、部屋にお菓子やお茶を出してくれたものです。あの頃のお互いの両親の年齢は40歳代だったと思いますから、誰もが元気で、こんな状態が続くと思っていました。子どもが年齢を重ねるにつれて両親も年老いていくことを感じるようになるのは、自分たちがあの頃の両親の年齢を追い越した頃からです。ずっと見守ってくれる存在だと思っているのですが、そうではないことに気付きます。

同級生は入院している父親の病床に一日3度、訪れています。自分で食べることができないので三食の時間に病院に行って食事のお世話をしているのです。元気な頃の父親が瞼に焼き付いているので弱っている姿に接することは寂しくてやりきれない思いがします。彼も同じ思いを感じていることが分かるので、辛くなりますし回復して欲しいと願うばかりです。

どうか親子の時間が一日でも長く続きますように祈っています。

Fukushima50

「Fukushima50」を鑑賞してきました。これは2011年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故を映画化したものです。当時、この事故を衝撃的な思いで水素爆発のライブのニュース映像を見ましたが、その現場で命を懸けて戦った、命を懸けて守った人たちのドラマです。何度も感動する場面があり、故郷を守る、大切な人を守ろうとする気持ちが心に響きました。

    映画 Fukushima50
  1. 放射能レベルが高くなっている現場に手動作業をするために「誰か行ってくれないか」と第一運転部の伊崎当直長が部下に尋ねます。現場に行くということは被爆することを意味していますから、挙手する人は現れません。これは現場に行くことが嫌で手を挙げなかったのではなくて、心の中で葛藤していることが分かるものでした。
    当直長が再び「誰か行ってくれないか・・・俺と一緒に」と尋ねます。その直後、「俺が行きます」「私が行きます」「私に行かせて下さい」という声が運転室内に響きます。全員が挙手して命を懸ける決断をした瞬間でした。涙が出てくるシーンです。
    部下は「当直長はここに残って下さい。運転室を離れたら誰が指揮をするのですか」と全員が当直長を守り、自らの使命を果たそうとします。心に残るシーンです。
  2. 放射線レベルか高くて、現場でそれ以上前に進めなかった場面があります。任務に失敗した二人の運転員は運転室に戻り、涙を流しながら「申し訳ありません。失敗しました。もう一度行かせて下さい」「申し訳ございません」と謝ります。二人が受けた線量は生命にかかわるギリギリのラインでした。それ以上行くことは死を意味していたのです。誰も二人を責めることはなく「よくやった」と言葉をかけます。フィフティーンのチーム力に感動する場面です。
  3. いよいよ発電所内は危険な状況に陥ってきました。吉田発電所長はみんなに声をかけます。「みんなこれまでよくやってくれた。ありがとう。班長は部下を退去させて下さい。私達が残ります」と伝えます。この時点で現場に残ることは生命に危険があること、死を覚悟することを意味しています。
    部下は「私達も残ります」と去ろうとしません。しかし伊崎当直長は「ダメだ。俺が残る。若いみんなは俺の後を継いでくれ」と部下を諭します。涙で現場を立ち去る部下の姿と残された当直長の覚悟に涙が出るシーンです。
  4. 部下が去った後、吉田所長、伊崎当直長を始め責任者だけが現場に残り、危険な作業を進めます。その時、奇跡が起き、危険な状態から脱することになります。
    現場が少し落ち着いた時、所長と当直長はタバコに火をつけながら話します。「なんでこんなことになっちまったんだ」「俺たちは何か間違ったのか」と所長は語ります。命を懸けた二人に共通する思いが伝わってくる場面です。感動の一瞬です。
  5. その後、吉田所長は死ぬことになります。送辞を述べる伊崎当直長の脳裏には、事故の数年前からの所長との思い出が蘇ります。福島第一原子力発電所の近くの桜並木に、その年も見事な花が咲きました。必ず復興するという希望を意味している場面です。

当時、現場で起きたことを伝えてくれた映画で、命を懸けた人がいたから東日本全域に被害が及ぶことなく日本は守られたのだと思います。人が命を懸けて大切なものを守るために行動する姿は感動です。観る価値は十分にあります。