活動報告・レポート
2020年2月22日(土)
まちの再生
企業立地

和歌山市内のある場所を、企業進出の可能性の有無を調査するために現地視察を行いました。

現地視察には大阪から知人も参加してくれて調査しました。現地で、「北摂では物流拠点などの開発計画があり、立地を希望する企業は多数あるのですが、和歌山市に進出してくれる企業を探すことが第一です。

次に土地価格が合うかどうかの問題があります。造成費用を考えて単価が算出されますが、和歌山市に立地した場合と大阪市内に立地した場合のコスト比較をした時、和歌山市内で大規模な造成をした土地の価格が高くなるとすれば、進出の可能性は低くなります。国土軸との違いがあるので、ここに進出できるかどうかは現時点では判断できませんね」という話でした。

土地価格を抑えながら進出企業を誘致することになりますが、道路網が整備されてきた和歌山市内は従来よりも土地価格を高く考えている場合があり、進出を検討している側との相場観に違いがあるようです。

ところで大阪府では万博開催に向けて、そこに向かう道路の整備が進められていること、加えてIRも事業者が一社に絞れたことから、事業計画を進めようとしています。大阪府は国よりも早く事業者と組んで独自の事業計画案を策定する考えで、政府案が示された時に修正を加えていく方法を取ろうとしています。和歌山県とは進め方が違うので追従する必要はありませんが、この違いが後れを取っているように見えているのです。

また「大阪府ではMGMとオリックスがIR事業者に選定されたことから、残りの事業者は横浜市に行っています。横浜市の場合、大阪府や大阪市と違って、IRが市長選挙の大きな争点になっていなかったから確実かどうか分かりませんね。大阪府と大阪市の場合、日本維新の会がIR誘致を公約に掲げて知事も市長も当選しているので、民意の支持を得て賛成の方向で進んでいるところに他の地方自治体よりも優位性があります」と話してくれました。

大阪府と和歌山県の企業立地やIRの取り組みを比較することに意味はありませんが、政策の進め方や考え方の参考になります。

まちの再生

和歌山市中心市街地の再生に関する話し合いを行いました。南海和歌山駅のリニューアルオープンの時期が近づいてきました。市駅とつなげる中心市街地の再生が次の課題として浮き彫りになってきました。約5年前から議論が交わされてきましたが、まちに動きを出させるべき時期に差し掛かっていると思います。他人事ではなく自分事、論理ではなく情熱を持って進めなければまちの再生は図れません。しかも継ぎ接ぎをするような再生ではなく本格的なものにするためには、地元と行政、そして事業者が方向性を一致させて取り組む必要があります。

ところで、和歌山市の経済を支え続けてくれている日本製鉄が、令和4年9月末までに高炉二基のうち一基を休止する内容を含む生産設備合理化策を発表しています。この件に関して知事は県議会開会日に「日本製鉄や関連企業と協力して、雇用や地域経済への影響が最小となるよう努めてまいります」と説明しています。

この合理化策によって多くの雇用が失われる可能性があり、和歌山市にとって雇用確保と地域経済への影響を小さくすることが大きな課題となっています。中心市街地の再生を図ることやIR誘致による雇用確保と経済への好影響を図る施策は喫緊の課題と考えています。

近い将来、大きな雇用が失われようとしている状況にあり、それに代わる雇用確保と地域経済を維持する施策を考えて、実現させなければなりません。代替案を何も考えなければ、何もしなければ、将来の衰退という現実が待っているだけです。この日本製鉄の合理化策を受けて、和歌山県として政策を実現に向かわせる必要性を一層感じています。

午前の現地視察によって、分かっていることですが改めて企業立地の難しさを感じ、中心市街地の現状を視察して、新型コロナウイルスの影響による小売店の売り上げ減少などの課題を感じています。大企業の生産規模の縮小を一気に補える対策はありませんから、幹線道路整備、中心市街地の再生、IR実現に向けた取り組みなど、現在の政策を積み上げていく以外に方法はありません。

現実をしっかりと見て、将来の県のあり方を考え示すことが政治です。現在、開会中の議会において政策議論を進めていきます。