活動報告・レポート
2020年2月15日(土)
エネルギー問題に関する研修会

エネルギー問題に関する研修会に参加しました。

現在、そして将来のエネルギーのあり方を考える機会となりました。パリ協定での日本の立場、そしてアメリカや中国の対応など、エネルギーのあり方と環境問題との関連性は密接で、今まで以上に、そして若い人に関心を持ってもらいたいテーマだと思います。

今回は中学生、高校生、そして大学生も多数参加しての研修会だったので、柔らかい頭からの提案や考え方を知ることができました。学生が関心を持つためには、言葉づかいや発信方法が大事なことだそうです。同じことを指していても言葉が違うことで、関心を持てたり、持たなかったりすることがあります。

さてエネルギー問題は総合格闘技のようなものだと例えていました。なるほど上手い表現で、エネルギー問題は関連する分野が広く、多くの人の多様な意見があるので、同じルールで議論することが難しく、方向性がまとまらない分野でもあります。

例えば石炭火力は、大量の二酸化炭素を排出することから環境保護派からすると悪になりますが、エネルギーの多様化を考える立場からすると、脱石油のために、そして国産なので日本にとって必要なエネルギーだと言えます。

またわが国が脱石炭火力を図ったとすれば、石炭火力を有する中国がその技術を他の国に技術移転をすると考えられるので、世界の二酸化炭素排出量は減少することなく、中国が経済力を増していくことにつながります。国力の維持を考えるとエネルギー分野の技術力は保持しておきたいところです。

石炭火力の部分的な問題を取ってみても、環境保護かエネルギーの多様化を図りリスクを減少させるのか、あるいは、経済力の確保を考えるのかなど、どの立場を取るかによって、それが進むべき道なのか、そうでないのか違ってきます。

これが正解だという道はないので、為政者が方向性を示し、賛否を議論して、多くの人が考えるような方向性を定めることが判断になるように思います。どの方向性に決めても、反対意見は出ますから、国のリーダーにとって扱いにくい問題のひとつだと思います。

また専門家の考えの「外にアイデアがある」という意見も参考になるものでした。専門家の考え方は固まっているところもあり、専門家以外の考え、特に学生の考え方は参考になります。専門的な言葉や技術や広報方法の組み合わせなど、斬新なアイデアが出てきたことからそう思いました。

アイデアが示された後は、知ったことを「どうしていくのか」が鍵となります。斬新なアイデアが出されても採用しない、実行しないようなら意味はありません。「どうしていくのか」つまり実行することが大事なことになります。

但し、「知っている」ことと「行動する」ことの間には大きな壁がありますから、壁を乗り越えることは意外と困難なのです。専門家と若い人達の意見の壁、専門家と世論との間の壁など、乗り越えるには話し合いと理解、そして時間を要することになります。最後はお互いの立場を理解し合えることが必要だと思いますが、そのためには時間をかけてコミュニケーションを取り、信頼関係を築くこと以外に方法はないと思います。

専門家とそれ以外の人、世代、国などの壁を乗り越えていかなければ問題を前に進めるのは難しいことです。

今回の研修は「エネルギー問題を考える」ことでしたが、どの分野の問題でも同じ壁があり、それを乗り越えることが発展だと思います。今回のケーススタディや学生達の考え方は他の分野の問題解決にも応用できると考えます。言葉づかいと方法の組み合わせなどによるアイデア創出など、今後の活動に生かしていきたいと思います。